米国立ロボット技術研究機関の National Robotics Engineering Center(NREC)は、自律無人機として改造した UH-60MU ブラックホークヘリコプターと、カーネギーメロン大学(CMU)が開発した自律無人車両「Land Tamer」を使用して、空陸連携実験を行ない成功したことを発表しました。
今回の実験では、自律制御によって無人で飛行するヘリコプターが、あらかじめインプットされた飛行コースに従って12マイル先にある目標まで飛行を行ない、貨物として搭載している自律走行車を目的地に着地させる実験が行われました。
現在、軍用として使用されている無人機(UAV)は、地上に居る人間のオペレーターが手動で操縦を行う必要があるのに対して、この試験で使用されたヘリコプターは、完全自動で飛行を行うことが可能な次世代型飛行モデルを搭載した無人機の実験機となるそうです。
NRECでは、今回の実験成功により戦場や放射能汚染など、人間の操縦士が飛行するには危険な環境であってもロボット方式の航空機や車両を使って様々なミッションを遂行することができるようになるとしています。
ロボット方式の航空機と車両の連携ですが、戦場や放射能汚染に限らず、初期段階の実験ですが適用できる応用範囲は広そうです。
交通手段が壊滅、寸断した大規模災害や、危険な人道支援、医療支援、操縦士や運転手が確保できない場面での輸送です。
特に急速に高齢化や過疎化が進む日本においては、離島や陸の孤島と化した過疎地などの緊急輸送において、交通輸送手段のスタッフ確保が軽減される災害・救命・医療などの新しい搬送システムとして、汎用性の高い連携試験だと思います。
イノベーション(innovation)とは、物事の「新結合」「新機軸」「新しい切り口」「新しい捉え方」「新しい活用法」(を創造する行為)のことです。
- 米国立研究所、大型の無人ヘリコプターと無人車両を使った連携作業試験に成功(Business Newsline)