ドナルド・トランプ米大統領は6月1日午後、気候変動への国際的な取り組みを決めた2015年のパリ協定から離脱すると宣言しました。米国の企業や労働者に不利にならない「公平」な新しい取り決めの再交渉を始めると述べています。一方、仏独伊の各国政府はただちに、パリ協定の再交渉には応じないと反論しています。
国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、「非常に残念だ」と表明。EUは「世界にとって悲しい日だ」とコメントしました。
2016年1月時点で、計188カ国・地域が約束草案を条約事務局に提出し、これまでに米国を含む146カ国が批准。米国は昨年11月に発効させています。条約に参加していないのは、これまでシリアとニカラグアだけでした
米国内では、カリフォルニア州のジェリー・ブラウン知事をはじめ、ニューヨーク、ボストン、ロサンゼルス、サンフランシスコなど複数の首長が、連邦政府をよそに自分たちの自治体はパリ協定を順守し続けると表明しています。
また、トランプ大統領が「自分はパリでなくピッツバーグの市民を代表するために選ばれた」と名指しされたピッツバーグのビル・ペドゥト市長もただちに、「我々はパリ協定の指針に従うと約束する」とツイートしています。
政治を鋭く批判する映画を製作してきたマイケル・ムーア監督は、ツイッターに「トランプ大統領は人類に対する犯罪を犯した。アメリカが第一で、地球は最後、ということだ」と投稿し、トランプ大統領の決定を厳しく批判しました。
- パリ協定脱退方針 各国の反応は(NHK News)
- 米トランプ政権、気候変動取り組みのパリ協定を離脱(BBC News)