3月7日、建築界のノーベル賞と言われるプリツカー賞に、初めてインドの建築家バルクリシュナ・ドーシ(Balkrishna Doshi)氏が選ばれました。ほぼ70年にわたってインド社会に貢献してきた功績が評価されたそうです。これまでの同賞受賞者は欧州や北米の建築家が3分の2以上を占め、多様性に欠けるという批判もあったそうです。
この10年では日本人3人と中国人1人、チリ人1人が受賞しています。
ドーシ氏は、海外に代表作と言えるような建築物はないそうです。
プロジェクトの大多数をインド国内で手掛けているのは、公共の利益のために「建築」を使うという信念の表れでもあるそうです。
子ども時代に「極度の貧困」を経験したというドーシ氏は、建築界で最も栄誉ある賞を受賞したことで、インドの公共住宅の影響力に注目してもらうことができると期待を寄せています。
ドーシ氏は「公共住宅の入居者たちは、土地もなければ仕事もない」「だが政府が少しの土地を与えれば、一生懸命働いて自分の家を建てようと思うことができる」と語ります。
インド西部のプネーに生まれたドーシ氏(90歳)は、1950年代初めにパリでル・コルビュジエのもとで働いた後、インドに帰国して1956年にアーメダバードに事務所を設立。以来、インド各地で100以上のプロジェクトを手掛けています。
- Sangath – Vāstu Shilpā Consultants(Website) 建築設計事務所 / 財団
- The Pritzker Architecture Prize(Website) プリツカー賞 公式サイト
- ‘IIMB is one of my best creations ever’, says Dr. B V Doshi(IIMB)
インド経営研究所バンガロール(キャンパス建築設計)
Life In India from The Pritzker Architecture Prize on Vimeo.