「ゾウは決してものを忘れない」とよく言われます。しかし、ゾウについてより深く学ぶにつれて、素晴らしい記憶力はゾウのすぐれた知性のほんの一つの側面にすぎないらしいことが解ってきました。ゾウは地球上で最も創造的で社会的なやさしい動物の一つなのです。アレックス・ジェンドラー(Alex Gendler)さんが、ゾウの忘れることのない素晴らしい頭脳へと私たちを案内してくれます。
ゾウは陸上のほ乳類の中で最も大きい脳とともに、高い脳化指数(EQ)を誇ります。EQとは動物の体の大きさから期待される腦のサイズに対する実際の脳のサイズ比のことです。ゾウのEQはチンパンジーに匹敵します。進化系統は人間と遠く隔たっていますが、収斂進化のためにゾウの脳は、人間の脳に大変近いものとなり、人間と同じくらい多くのニューロンやシナプス結合― 高度に発達した海馬と大脳皮質を持っています。
この類い希な記憶力と問題解決能の組み合わせにより、ゾウが見せるとても賢い行動のいくつかに説明がつきます。ゾウは構文の理解力があることから、独自の言語と文法を有していると考えられます。この言語感覚は、単なる意思疎通にとどまりません。ゾウは慎重に様々な色や要素を選んで組み合わせてアートを作ります。また12音階を聞き分けてメロディーを再現できます。実際にゾウのバンドもあるのです(^^)
ゾウは意識や知性―そして感情を持った動物であるという結論は避けられないでしょう。残念ながら 人間によるゾウの扱いはこのことを反映していません。アジアでの生息地の破壊やアフリカでの象牙の密猟、そして世界の至る所でゾウは捕らわれ虐待されています。
- どうしてゾウはものを決して忘れないのか ― アレックス・ジェンドラー(YouTube)
- Japanese translation by Moe Shoji. Reviewed by Yasushi Aoki.(日本語字幕を読む)