5月29日、スイスの国際経営開発研究所(IMD)は、主要63カ国・地域を対象にした2019年版「世界競争力ランキング」を発表しています。Top3では、昨年3位だったシンガポールが首位となり、2位は香港、3位は米国となりました。中国は2016年が25位、2017年18位、2018年13位に躍進して来ましたが、2019年は14位に後退させています。日本は25位でしたが、2019年は順位を5つ下げて、ついに30位に下がってしまいました。
シンガポールは2010年に首位となって以来の返り咲きです。米国は依然としてインフラや経済活動の水準において世界をリードしていますが、その競争力は、燃料価格の上昇、ハイテク輸出の減速、ドル価格の変動により首位から陥落しました。また経済的な不確実性が、欧州諸国の順位を下げています。
台湾は16位、韓国は28位、インドネシアが43位から32位に順位を上げ、最も順位を上げたのはサウジアラビアで、26位から13位に上がっています。
- The IMD World Competitiveness Ranking 63カ国・地域の競争力分析と推移
日本が25位から30位に順位を下げた要因では、経済の停滞、政府の債務に加えて、ビジネスの効率性で、調査対象63か国中、46位となり、昨年の36位から大幅に順位を落としています。特に、「生産性と効率性」「経営慣行」「姿勢と価値観」といった領域での低下が目立っています。
下記の表は日本の過去5年間の推移です。2019年の経済は16位、政府は38位、ビジネスは46位、競争力を支えるエネルギー、通信、教育などのインフラは15位です。長期に亘って競争力が低迷したまま、さらに低下させています。
2020年東京オリンピック・パラリンピックや令和の新時代を迎えても、グローバル化やデジタル化が加速する経済に対応できない「日本病」が重症化しています。