カタツムリが寄生虫のロイコクロリディウムに寄生され、オレンジや緑の鮮やかな蛍光色で光る奇妙な姿態が、ソーシャルメディア(SNS)を中心に「ゾンビ・カタツムリ」と言われて話題を集めています。このカタツムリは、8月9日に台湾中西部彰化県の山腹でハイキング中の男性によって発見され、「カタツムリの中にカラフルなネオンの光が入っているように見えた」そうです。
ロイコクロリディウム(学名:Leucochloridium)は吸虫の属の一つで寄生虫です。カタツムリの触角に寄生してイモムシのように擬態し、だまされた鳥がこれを捕食し、鳥の体内で卵を産み、鳥の糞と共に卵が排出され、その糞をカタツムリが食べて再びカタツムリに侵入します。
一般に寄生虫というのは、中間宿主にこっそり隠れて最終宿主が気付かず食べることが多いのですが、このロイコクロリディウムは最終宿主(鳥)に食べられるように、積極的に中間宿主(カタツムリ)を餌(イモムシ)に似せるところに特徴があります。カラフルな蛍光色が動く姿態は少しぞっとします。
2013年11月に、ポーランドのヴロツワフ大学の研究チームが、ロイコクロリディウムに寄生されたカタツムリと正常なカタツムリの行動を比較した研究論文を発表しています。カタツムリは一般に、乾燥を避け、天敵から見つからないよう、朽ち木や葉の裏などに身を隠して生息します。しかし、ロイコクロリディウムに寄生されたカタツムリは、明るい場所や草木の高い位置に移動して、鳥に見つかりやすくなるようにカタツムリの行動を制御していると考えられているそうです。(Newsweekより)
地球外生命体が人間や動物に寄生し、運動ニューロンを乗っ取って意のままに行動させている「SFホラー映画」のような展開を知って驚きです(^^)
- 寄生虫に乗っ取られた「ゾンビ・カタツムリ」がSNSで話題に(松岡由希子 / Newsweek)