世界最大の海洋プラスチックの集積地帯である太平洋ゴミベルト(Great Pacific Garbage Patch)でにおいて、2018年9月からテストをしていた The Ocean Cleanupの最初のクリーンアップシステム(System 001)は、多くの課題と問題点を見出しデータを収集しました。最大の課題であった「海洋プラスチックの保持」について改善した System 001/Bの実証実験を終了しました。
- SYSTEM 001(The Ocean Cleanup) アップデートの経過
System 001の長さは160m(予定は600m)ですが、風の強弱や波などの気象条件の変化に対応して、集めた海洋プラスチックをいかに長期に保持するかを最大の課題としていました。
必ずしも最終段階ではありませんが、スローダウンのパラシュート・アンカー構成(上図)を使用することで、海洋プラスチックの一貫した速度が達成されたため、当初システム最大の技術的課題が解決されました。
プラスチックがコルクライン(cork line)を越流する問題に対処するため、スクリーン・コルクラインの浮力と高さを大幅に増やします。現在のコルクラインのフロートの直径は15cmです。上図のように32cmのフロートを3列に重ねて使用し、合計で約50cmの高さになるようにします。これについては間もなくテストを開始します。
- Into The Twilight Zone(16 August 2019 The Ocean Cleanup)
トワイライト・ゾーン(The Twilight Zone) は、「昼」でも「夜」でもない曖昧な時間帯である「夕暮れ時」を「怪異が起こる時間」という意味に使った米SFテレビドラマが語源ですが、未知の領域に挑む「The Ocean Cleanup」を応援しています。
- 検索:The Ocean Cleanup(Nobuyuki Kokai)
The Ocean Cleanupはクリーンアップ設計を継続的に改善してきたSystem 002(JENNY)により、2021年7月末から9回の捕捉テストで、合計28,659Kgのプラスチックを回収しました。小さな破片から巨大なゴーストネットまで、繰り返し効率的に捕捉できたことで、海洋プラスチックのクリーンアップ設計の実行可能性を証明しました。すぐに太平洋ゴミベルトから海洋プラスチックの除去を開始します。