高校生を対象とした世界最大の科学コンテスト・国際学生科学技術フェア(ISEF)は、1950年に米国の非営利団体サイエンスサービスによって「National Science Fair」として始まりました。2019年は米フェニックスで開催され、80の国と地域から選ばれた1842人の高校生が参加しました。性別の割合は均等だったにもかかわらず、全22部門の最優秀賞のなかから選出される上位4つの賞のうち、3賞が女子に授与されました。
- ISEF: The New Generation of Innovators(hsocietyforscience.org)
米国では、STEM(科学・技術・工学・数学)関連職を目指す女子学生を増やす取り組みが、大学や研究機関で盛んになってきています。
ISEFを主催する Society for Science & the Public の最高責任者マヤ・アジュメラ(Maya Ajmwra)さんは「女子たちは豊かな創造性や粘り強さを発揮し、テクノロジーを活用してそれぞれの研究課題に取り組んでいます。こうした新進気鋭の科学者たちによって状況は変わってきています」と語っています。
米国女性科学者協会(Association for Women in Science)によれば、STEM分野で修士・博士号を取得する女性は増えているものの、STEM関連の教授やリーダー職は依然として男性が大部分を占めているということです。
10月29日、中学生のSTEM教育(科学、技術、工学、数学)を推進しているブロードコム財団(Broadcom Foundation)は、ブロードコム・マスター(Broadcom MASTERS)受賞者を発表しました。2019年はトップ受賞者5名が全員女子という結果になりました。
最優秀賞を受賞したペンシルバニア州の中学生 アライナ・ガススラー(Alaina Gassler・14歳)さんは、自動車の運転席の死角を減らすことで、車の運転をより安全にしようとしています。彼女はカメラとプロジェクターを使用して、ドライバーの視線を遮る可能性のあるものをすべて表示するシステムを設計しました。アライナさんの母親が運転に苦労していたので、このシステムを製作したそうです。 (YouTube参照)
- Middle Schooler’s Invention Seeks to Correct Blind Spots; Wins $25,000 Top Award in the National Broadcom MASTERS Competition(10/29 Press Room)
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