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映画「英国王のスピーチ」は、自分の弱さと向き合う大切さ

第83回アカデミー賞で作品賞、主演男優賞、監督賞、脚本賞を受賞した素晴らしい作品でした。3日前に観てきました。アルバートは、生来左利きであったことから、5歳の誕生日を期に利き腕を右手に矯正するよう指導されることになります。

左から)父・ジョージ5世、兄・エドワード王子(エドワード8世)、アルバート王子(ジョージ6世)、祖父・エドワード7世(1908年)

字を書く際も、無理矢理右手で書くよう家庭教師達から矯正され、兄エドワードはこれらの厳しい指導に怯える弟の姿を、執拗なまでにからかっていたということです。

加えてX脚だったことから、9歳頃から脚の形を矯正する為に1日に数時間ギプスを着用することも強制されます。

ギプスを使用する痛みに耐え切れず、泣き叫ぶようなこともしばしばあり、幼いアルバートはこれらの虐待に起因する過度のストレスから、後に言語障害の専門医から「外見からでも、慢性言語障害の兆候が出ていた」と言われるほど、重度の吃音症に悩まされることとなってしまいます。(Wikipedia・ジョージ6世 /イギリス王

1925年、大英帝国博覧会閉会式で、ヨーク公アルバート王子はエリザベス妃(エリザベス・ボーズ=ライアン)の見守るうちに、父親の国王ジョージ5世の代理として演説を行っています。しかし、吃音症のためにさんざんな結果に終わり、聴衆も明らかに王子の演説に落胆してしまったそうです。

カナダ訪問時の国王夫妻(1939年5月31日)

エリザベス妃は言語聴覚士であるオーストラリア出身のライオネル・ローグを紹介され、アルバート王子は仮名を使って、ローグの療法を受けるために、ローグのみすぼらしいオフィスを訪問します。

ローグは問題の原因となっていると思われる、王子の幼少期の体験による心理的問題、肉体的問題による背景を知り、より適切な解決を図ろうと試みます。

映画「英国王のスピーチ」は、一人の人間が、幼少期の劣等感や虐待に近いストレスと向き合い、王妃の愛情や言語聴覚士・ローグの友情に支えられながら、国民のために自信を深め、重度の吃音症を克服する人間ドラマとして素晴らしかったです。

第二次世界大戦中、バッキンガム宮殿がV2ロケットの直撃を受けた時も、「爆撃された事に感謝しましょう。これでイーストエンドに顔向け出来ます。」(=ロンドン東部、下町の低所得層・下層階級の人々と同じ境遇になれた)と、超然としていた事を知らされ、ヒトラーが慄然とした話は有名であるようです。

ジョージ6世やエリザベス王妃がイギリスの士気に多大な影響を与えた為に、エリザベス王妃を『ヨーロッパで最も危険な女性』と評したということです。

「映画「英国王のスピーチ」は、自分の弱さと向き合う大切さ」への2件のフィードバック

  1. blank

    批評もおもしろいんですが、いい写真を選ばれていますね。国王と王妃の人柄がよく現れている写真だと思います。

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