映画ニューヨーク公共図書館・エクス・リブリス(Ex Libris: The New York Public Library)は、巨匠フレデリック・ワイズマン監督によるニューヨーク公共図書館に関する2017年公開の米国のドキュメンタリー映画です。2019年5月から日本で公開され、改めてパブリック(Public)の意味を問う面白そうな映画です。
- 映画「ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス」(公式サイト)
- Ex Libris: The New York Public Library (2017)(IMDb) Ratings: 7.5
世界最大級の「知の殿堂」ニューヨーク公共図書館は、作家サマセット・モーム、ノーマン・メイラー、トム・ウルフ、画家アンディ・ウォーホルなど文学、芸術などの分野でも多くの人材を育ててきました。世界有数のコレクションを誇りながら、「敷居の低さ」も世界一と言えるほど、ニューヨーク市民の生活に密着した存在でもあります。その活動は「これが図書館の仕事!?」と、私たちの固定観念を打ち壊し驚かします。
2003年岩波新書「未来をつくる図書館」の著者で在米ジャーナリストの菅谷明子氏は、英語の「Public」には「みんなのため」「だれでも自由にアクセスできる」といった意味があり、図書館の運営を誰が担っているかに着目すると「公立」だが、重要なのは「だれのため」だと考え「公共図書館」と表記することに決めたそうです。
- ニューヨーク公共図書館の映画、本、トークイベントなどを通じ、パブリックの意味について考える(11/6 鷹野凌 / hon.jp)
映画「ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス」では、取り組み事例の合間に何度も会議のシーンがあり、上意下達ではなく、市民のためになにができるか? を真剣に議論をしている様子がうかがえるそうです。
菅谷明子氏は「ホームレスや移民、職がなくて困っている人から、いわゆるアッパーな、アート愛好家やアーティスト、歌手など、幅広くどのレベルに対してもサービスを提供できるよう、頑張ってくれている」と述べています。