「ひらめいた!」と感じる瞬間にアイデアが生まれると思われがちです。スティーブ ジョンソン(Steven Johnson)は、歴史はまた別の事実を示していると紹介しています。
ロンドンのコーヒー店に見られる「流動的ネットワーク」の話から、チャールズ ダーウィンにまつわる長期にわたるゆっくりとした予感の話、さらにはGPSの誕生など、人や物が相互に連携して、アイデアが素早く広まるようになった今の世の中についても語っています。
Steven Johnson さんの著作「Where Good Ideas Come from? The Natural History of Innovation」では、過去数世紀のイノベーションや発明を検証して、どのような環境の下で発明がなされたかを考察し、それらの環境を4つのグループに大別しています。
第4のカテゴリー「共同作業でアイデアが積み上げられた結果できた発明」が勢いを増しているとしています。
<発明環境を4つのグループに大別>
(1)市場外での個人の発明
(2)いくつかの企業が競合した市場での発明
(3)科学者や趣味で発明をしている発明家たちが、アイデアを自由に交換してできた発明
(4)オープンソースまたは学術的環境の下で、共同作業でアイデアが積み上げられた結果できた発明
特許庁の統計では、発明が生まれる場所は集中しており、アメリカでは、東海岸(ニューヨークとボストン)と、南部のテキサス・オースチンと西海岸のシリコンバレーが3つの重要な発明拠点です。一方日本では、圧倒的に東京近辺で、ついで京都・大阪の関西となっています。
オープンな環境と雑談する環境、文化的な刺激、異文化、多様性などが重要なことが解ります。
- Steven Johnson(Website)