国際連合食糧農業機関(FAO)によると、バッタが大量発生したエチオピアとソマリアなどでは過去25年間、拡散したケニアでは過去70年間で最悪の蝗害(こうがい)となっています。原因は、インド洋西部の海面温度が上昇するインド洋ダイポールモード現象(IOD)という気候変動現象です。このIODは、オーストラリアに深刻な干ばつと大規模な森林火災、ひょう、砂嵐といった異常気象をもたらしています。
- Alarm over Desert Locusts increases as new generation of the destructive pests starts breeding in Horn of Africa(1/29 FAO)
- バッタ大量発生 食料を食い荒らす アフリカ東部(2/3 NHK News)
アフリカ東部各地を襲っているバッタの大群について、専門家らは気候の極端化が元凶で、干ばつと大洪水から立ち直れていない同地域の1,200万人に壊滅的な被害をもたらす恐れがあると指摘しています。
サバクトビバッタは、毎日自分の体重と同じ量の緑の植物を食べます。種類は葉、花、皮、茎、果実、種と問いません。農作物、非農作物のいずれも食し、さらにはバッタからの排泄物が食べ残した食物を腐らせます。
1平方キロメートルのバッタの群れは、1日で35,000人分の食物を食べることができるそうです。
植え付け時期と雨期が始まる3月ごろまでにバッタを制圧できない場合、次の作物も食い荒らされる恐れがあります。産業の乏しいアフリカ東部では多くの人々が農業で生計を立てていて、FAOでは、食料不足などによる人道危機を引き起こすおそれがあると警告しています。
- アフリカ東部のバッタ大発生、元凶は豪干ばつと同じ気象変動現象(1/25 AFPBB News)