史上初めて人類を月に着陸させることに成功したアポロ11号は、宇宙飛行士、ミッション制御、コンピュータのハードウェア、およびソフトウェアのすべてを統合したシステムとして設計されていました。
そして、このシステムをシームレスに機能するようにした1人の女性エンジニア、マーガレット・ハミルトン(Margaret Hamilton)さんの貢献がなければ月面着陸は不可能でした。TED-Ed(YouTube)は、彼女のチームが人類を月に連れて行ったソフトウェアをどのようにプログラムしたかを解説しています。
アポロ誘導コンピュータ(AGC)と数値表示部とキーパッド(DSKY)は、アポロ計画のためにMIT器械工学研究所で開発され、アポロ宇宙船の全航行機能を自動制御し、飛行情報を確認・修正するために使われた、リアルタイム組み込みシステムです。マーガレット・ハミルトンさんがソフトウェアの監督・指導を務めています。
アポロ月着陸船が月面に降り立つ3分前(降下途中)、いくつかのコンピュータアラームが何度も鳴りました。レーダーシステム(着陸には必要ない)からの受信データで過負荷を起こしていたためでした。アポロに搭載されたフライト・ソフトウェアは、優先度の高い(着陸の際に重要な)命令を、優先度の低い命令に先んじて実行する「非同期実行」を用いて、完璧にプログラムされていたために着陸は続行され、史上初めて人類を月に着陸させることに成功しました。
アポロ計画での仕事の後、ハミルトンさんは独自のユニバーサルシステム言語を使用して、フェールセーフのシステムとソフトウェアを開発する会社を設立しました。2003年、NASAは彼女の業績を称え個人としては史上最高となる賞金37,200ドルを授与しました。
- How one woman put man on the moon – Matt Porter & Margaret Hamilton(TED Ed)
- NASA Honors Apollo Engineer(Sept.3, 2003 NASA News)
2016年、彼女のソフトウェアが宇宙飛行士を初めて月に導いた47年後、ハミルトンさんは私たちのテクノロジーとソフトウェアに対する考え方を変えた功績により、大統領自由勲章が授与されました。
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