第二次世界大戦中のナチス占領下のノルウェーで、ソニア・ヴィーゲット(Sonja Wigert)は女優として活躍していました。その人気に目を付けたナチスの国家弁務官ヨーゼフ・テアボーフェン(Josef Terboven)は、彼女をプロパガンダに利用しようと画策します。その一方で、ソニアはノルウェーの隣国スウェーデン諜報部から、スパイとしてナチスに潜入することを要請されます。
- 映画「ソ二ア ナチスの女スパイ」(公式サイト) 9月11日から全国ロードショー
- The Spy (2019)(IMDb) Ratings: 6.2
スウェーデンは、戦線を拡大させて諸国に侵攻していくナチス・ドイツを警戒し、情報収集に躍起になっていました。一度はその要請を拒否するソニアですが、逮捕された父親を解放させるために、テアボーフェンに接近して彼の邸宅に潜入することに成功します。
次第にテアボーフェンの寵愛を受け、信頼も得るようになったソニアは、ある日、彼からあることを依頼されます。それは、ナチスのスパイとして北欧諸国の情報を収集することでした・・・。
女優ソニア・ヴィーゲットは、1913年にノルウェーのノトデンに生まれ、国立工芸・芸術産業学校を卒業後、1934年に女優デビューしています。2005年に関連文書が公開され、戦時中のスパイ活動が公表されました。
監督のイェンス・ヨンソン(Jens Jonsson)氏は、父親をナチスの強制収容所から解放するためにスウェーデンとドイツの二重スパイになった人気女優を描いていますが、北欧における第二次世界大戦中のプロパガンダもテーマとしています。
「我々は政府が一国の文化をコントロールする力を持つことができることを知っておかなければいけません。そういう意味で本作は現代の観客に訴え掛けるものがあると確信しています」とも述べています。