朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の平壌市普通江区域にある、未完成の柳京ホテル(リュギョンホテル、りゅうけいホテル)です。
地上高330.02m、105階(諸説あり)、客室数3,000室、最上階には3つの回転展望レストランがオープン予定です。1987年に起工され、北朝鮮の威信をかけた「世界一のホテル」として建設が開始されました。
- 北朝鮮で最も高い建物は、一度も宿泊客を受け入れたことのない廃墟ホテル(7/24, 2023 BUSINESS INSIDER)
韓国ソウルの63ビル(地上高249m)よりも高くすることを目指し、平壌の旧称である「柳京」から柳京ホテルと名付けられました。
建設段階から国外へ向けて、積極的に宣伝を行い地図にも掲載しました。しかし1992年に建設が中断され、15年以上にわたり放置されていました。1992年には「世界で最も高い空きビル」として、ギネス世界記録に認定されています。
2008年4月より、16年ぶりに建設が再開されたことが5月になって報じられ、窓ガラスの取り付け工事が始まっています。
建設には北朝鮮で携帯電話事業の展開を計画中のエジプト企業オラスコム社がかかわっているとされ、2012年の金日成生誕100周年(4月15日)までの完成を目指しています。
完成すればホテルの高さとしては、2011年現在ドバイのローズタワー(333m)に次ぎ世界2位となります。平壌市のどこからでも美しいピラミット型の高層ホテルは見えるそうです。(追記 12/13, 2017: 写真・October 2015)
- Category:Ryugyong Hotel(Wikimedia Commons)
建物の形状は安定性の高い三角形ですが、ホテルがある普通江地域は大同江の支流である普通江に取り巻かれた地帯でその中でもホテルの建物は水田が多数存在した川岸の地盤の悪い土地に建っており、この劣悪な地盤と設計ミスにより建物の傾きが判明しています。さらに保護措置が取られないまま長期間建物が放置された結果、コンクリートのクラックに入り込んだ水分が冬の寒さで凍結膨張をくりかえし一層強度が低下したともされ、建設継続は不可能と見る専門家もいます。
- 柳京ホテル(Wikipedia)
- 学生を建設現場へ動員 金日成生誕100年記念に向けて=北朝鮮(大紀元)
- Ryugyong Hotel(Google画像検索一覧)