米Time誌の「The Best Inventions of 2021」が11月10日に発表され、MTA(ニューヨーク都市圏交通公社)と、2013年に設立されたテクノロジーとデザインの会社「Work & Co」のコラボレーションにより、無償で開発された MTA Live Subway map(リアルタイム地下鉄路線図)が選出されました。駅数425、路線数26、世界最大規模に複雑なニューヨーク市地下鉄路線図を優れたデザインと操作性、路線別に変化する運行状況や電車の位置、緊急で使用できないエレベーターなども反映させる究極のデジタル路線図と評価しました。
- Time Names MTA Map to Best Inventions List(11/10 Work & Co)
- Finally, a Subway Map With Real-Time Train Locations and Delays(10/21, 2020 The New York Times)
「MTA The Next Generation of Transit Maps」は、パソコンやスマートフォンで見るための地下鉄路線図です。最初の画面はシンプルな見た目ですが、拡大していくと駅や幹線道路、車イス対応などが現れ、さらに拡大するとストリート名などの情報が増えていきます。地下鉄駅をタップすれば駅出口やインフォメーション、時効表などが表示され、路線上には走行している車両がリアルタイムで映し出されています。
- MTA Live Subway Map(Website)
短編ドキュメンタリー The Map(日本語字幕あり)は、映画製作者兼写真家のゲーリー・ストウィット(Gary Hustwit)監督が、MTAと Work&Coが協力して、市民と観光客にとってより利便性の高い地下鉄となるため、リアルタイムで更新されるスマートな「デジタル路線図」を作成するプロセスを描いています。
このドキュメンタリーでは、複雑な地下鉄経路の探索とユーザーインターフェースの進化を検証し、優れたデザインと最新のデジタルテクノロジーによって、世界で最も複雑な交通システムもスマート化できることを示しています。
- The Map(Gary Hustwit)
レイチェル・ハオット(Rachel Haot)(旧姓:スターン)さんが、この地下鉄路線図(MTA Live Subway map)のデジタル設計を支援しました。レイチェルさんは2011年1月から2013年12月までの3年間、ニューヨーク市の初代最高デジタル責任者(CDO)を務め、短期間でNYCを世界トップのIT都市に引き上げました。
- タグ: Rachel Sterne