11月16日、NASA月面探査計画「アルテミスI」の新型ロケット「SLS(スペースローンチシステム)」は初飛行に成功し、搭載されていたオリオン宇宙船(Orion)は月へ向かう軌道に乗りました。オリオン宇宙船に搭載された16台のカメラからの美しい映像が公開されています。船内画像には搭乗したマネキン(Campos)と、コックピット正面にビデオ会議システムのカリストー(Callisto)が見えます。
- NASA Image and Video Library(Website)
- NASA’s Artemis I Cameras to Offer New Views of Orion, Earth, Moon(11/16 NASA)
新型ロケットと宇宙船には合計24台のカメラ(SLSに8台、オリオンには16台)があり、離陸、上昇、太陽電池アレイの展開、ロケットの外部検査、着陸と回収、地球と月の画像のキャプチャなどの重要なミッションとイベントを記録しています。
4つの太陽電池アレイの翼の先端には、宇宙仕様に高信頼化された市販カメラが先端に取り付けられており、宇宙船の外部ビューを提供します。船内には宇宙飛行士が撮影できる3台のワイヤレスカメラがあります。また、ビデオ会議機能(カリストー)のテスト用カメラも搭載しています。カリストーはギリシャ神話の女神アルテミスの従者です。
人間に優しいインターフェースを目指すカリストー(Callisto)は、オリオン宇宙船開発の主契約者であるロッキード・マーティン(Lockheed Martin)が、Amazonとビデオ会議ツール(Cisco Webex)を提供するシスコと共同で開発を進めています。宇宙飛行士がAI音声認識サービスのAlexa(アレクサ)による音声コマンドで、宇宙船の状況(速度や姿勢、電池)や各種データ(気温、酸素、水供給量など)にアクセスしてリアルタイムに回答を得る実証テストもします。
ケネディ宇宙センターとビデオ会議をしながら、音声コマンドで宇宙船の操縦や船内環境の操作(照明や音楽再生など)ができる未来が想像できますね(^^)
- Orion Captures Moon with Camera on Solar Array(11/18 images.nasa.gov)