マストドン(Mastodon)はミニブログサービスを提供するためのフリーソフトウェア、またはこれが提供する連合型(Fediverse/フェディバース)の短文投稿型SNSです。ドイツ人のオイゲン・ロホコ(Eugen Rochko)氏によって開発されました。脱中央集権型のマストドンのサーバーは誰でも自由に運用する事が可能です。利用者は通常このサーバーの一つを選んで所属しますが、異なるサーバーに属する利用者間のコミュニケーションも容易になっています。10月27日にイーロン・マスク氏がTwitter社の買収を完了したことに対し、既存ユーザーが今後の運営を懸念してマストドンへと移行する人が激増して注目されています。
- 分散型ソーシャルネットワーク – Mastodon(Website)
- ツイッターの混乱で注目、分散型SNS「Mastodon」創設者が語るユーザー急増と運営理念のこれから(11/24 wired.jp)
- Mastodon 関連情報(Google検索)
オイゲン・ロホコ氏は、2016年に大学を卒業してまもなくマストドンの開発を始めています。Twitterを気に入っていましたが、単一の企業や個人が支配しないプラットフォームをつくりたいと考えていたのです。
なぜならオンライン・コミュニケーションとは、商業的利益やサービスの最高経営責任者(CEO)の気まぐれで運命が左右されるには、あまりに重要なものであると考えていたからです。利益の追求という動機づけをなくし、優れた設計によって「ハラスメント」や「荒らし」を防ぐことで、ユーザーがより力をもてるサービスを作れるとロホコ氏は考えたのです。
- Eugen Rochko(@Gargron@mastodon.social)
ロホコ氏は、「何をモデレートして何をモデレートしないかについて、合意があるわけではありません。何を見たいか、誰が誰と話せるかにおいてどれだけ厳しく制限すべきかという点で、人々は異なる考えをもっています。」 また、「フェディバースは、体験したいソーシャルメディアが体験できるさまざまな場を提供します。非常に厳しいモデレーションのもと、とても安全な場所をつくることもできるのです。妥協しなければならないようなことはありません。」と述べています。
ロホコ氏によると、この数週間でマストドンでは約80万もの新しいアカウントが作成され、人気のサーバーに殺到し、既存ユーザーのタイムラインは、新規ユーザーの自己紹介や質問、苦情で溢れかえるようになったということです。
Mastodonでは、億万長者が購入して所有することのできないソーシャル・メディアのビジョンを提示します。あなたのオンライン・コミュニケーションは、単一の営利企業の気まぐれであってはなりません。
At Mastodon, we present a vision of social media that cannot be bought and owned by any billionaire. Your ability to communicate online should not be at the whims of a single commercial company!
— Mastodon (@joinmastodon) April 14, 2022