明日は、年に一度の頭脳コンテストの日。脳トレ・雑学・パズルなど10種類の競技が行われます。アミールには、賢くて能力のあるチームメイトが必要ですが、年齢も能力も異なる3人の中から選ばなければなりません。シャノン・オーデル(Shannon Odell)さんが「頭がいい」という概念を細分化して、私たちの脳がどのように人生のさまざまな段階のスキルに影響を与えるかを紐解いていきます。
- Shannon Odell(Website) Neuroscience PhD, Comedian, Science Host
- What’s the smartest age? – Shannon Odell(TEDEd)
知能はよくIQ(知能指数)と結びつけて考えられがちです。IQテストのようなものでは、個人の多種多様な能力を測りきることはできません。「頭が良い」の意味を細分化してみましょう。創造力、記憶力、学習能力などに分け、それぞれの能力が一番高い年齢を探ってみましょう。
子供の時は、言語の習得に関する脳領域が急成長します。多くの子供が複数の言語を習得できるのはこのためです。同時に、発想は柔軟で、探求ベースで物事を学んでいきます。創造性豊かなアプローチで答えを導き、概して失敗を恐れません。
一方、大人は大人ならではの能力が備わっています。十分に発達した前頭前野の恩恵を受け、学習、集中力、記憶力を要するスキルを発揮できるのです。パズルやクロスワードなどを素早く効率よく解くことが可能です。
老齢期にこのようなスキルが衰えるのは、海馬と呼ばれる記憶をつかさどる脳の領域が萎縮するためです。しかし、「亀の甲より年の功」という諺があるように、長年の知識と経験の中から呼び起こして、活用できる知恵が多く雑学にはもってこいです。
また、10代のアミール自身の強みも考慮する必要があるでしょう。思春期は幼児期よりも前頭前野の発達が急速です。論理パズルや数理パズルができるようになります。また、脳内の奥深くやる気や達成感において、重要な役割を果たす領域の発達はさらに顕著です。アミールのようなティーンエージャーは、好奇心や冒険心から物事を学んでいきます。
さて、一番頭がいいのは何歳でしょう? もうおわかりですね。答えはひとつではないのです。8歳、16歳、25歳、65歳。そして、あらゆる年齢において、我々の脳はその年齢に適したスキルを、人生のその時どきの課題や必要性に合うように、優先的に発達させるのです。アミールが誰を選ぼうとも、年代の異なるメンバーとチームを組むことが秘策なのです。
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