いま、ニューヨークのホイットニー美術館で開催されている「エドワード・ホッパーのニューヨーク(Edward Hopper’s New York)」では、ホッパー氏の人生と仕事を包括的に解説しています。ホイットニー美術館は米国の近代・現代美術作品の充実で知られ、特にエドワード・ホッパー作品を多数収蔵しています。ホッパー氏の映画のワンシーンのような、「光と影」「孤独」や「窓」を主題とした作品は大好きです。
- Edward Hopper’s New York(whitney.org) Oct 19, 2022–Mar 5, 2023
- Edward Hopper(whitney.org) 3,151 works
ホッパー氏はニューヨークの街中を散歩したり、高架列車に乗ったり、飲食店をひいきにしたり、劇場に通ったりして、常に新しい主題を探していました。特に日常生活のあらゆる側面が平等に露出している都会の公共空間と私的空間の境界に惹かれています。映画館内部の「孤独」と「人工的な光」が印象的な作品「New York Movie」は私のお気に入りです。
「窓」はホッパー氏の最も永続的なシンボルとなり、窓の特性を利用して建物の外観と内部や、建物内部と窓から見える風景を同時に描写しています。1927年の絵画オートマット(Automat)は、夜のオートマットでコーヒーカップのなかをじっと見つめる女性が描かれています。画面の殆どを占めるほどの大きな窓が背景にあり、夜のせいで黒くなり店内の2列の照明器具の反射像が奥へと伸びています。
この絵の女性モデルはホッパー氏の妻ジョセフィン(Josephine Hopper)さんです。ジョー(愛称)さん自身も画家ですが、1920年代半ばからは夫の唯一のミューズ(モデル)になっています。
ジョーさんはホッパー氏の代表作でもある「Nighthawks」を含む、夫の多くの絵画の名前を考え出したのは彼女です。夫が1967年に亡くなった後、ジョーは彼女の芸術的財産全体(および夫の財産)をホイットニー美術館に遺贈しました。
- エドワード・ホッパー(Google Arts & Culture)