アバター(Avatar)は自分の分身となるキャラクターのことですが、AI技術によって精巧となり、さまざまな分野の企業が注目しています。アバター産業は2029年末までに5,270億ドル(約73兆7700億円)規模に拡大すると予測されているそうです。アバターの開発依頼が15,000社を超えたシンセジア(Synthesia)や、2023年アカデミー賞の受賞映画にも活用され Googleが支援するランウェイ(Runway)、ケンドリック・ラマーのミュージックビデオを手がけるディープ・ブードゥー(Deep Voodoo)などもアバターを開発します。ディープフェイクや生成AIを駆使するスタートアップです。
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自分のAIクローン(アバター)はビジネスや経済、科学、芸術のエリアで新たな世界を切り開く一方で、倫理面でも問題が山積しています。ブルームバーグテレビジョンのアンカー、トム・マッケンジー(Tom Mackenzie)氏は、AI技術で作られた自分のクローン、アバター・トムと会話することにしました。会話の応答にはChatGPTが用いられ、見た目や行動、声はアルゴリズムを使って本物そっくりに再現されています。
AI技術が飛躍するスピードに対し、その規制も倫理面での指針も欠落している状況です。シンセジアは会社の規制を強化しました。一つのアバターと虚偽情報の拡散に関連性が認められたからとしています。
Googleと生成AIの開発を手がける「ランウェイ」が大規模なクラウドコンピューティング契約を締結しました。AIを活用した動画作成・編集ツールの開発を手がけるスタートアップで、テキストや画像や動画を元に別の新たな動画を生成するマルチモーダル(複合)AI「Gen-2」を提供しています。
2023年アカデミー賞で最多7部門受賞を果たした映画エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(Everything Everywhere All At Once)にも、ランウェイのAI技術が活用されています。
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長年にわたりサウスパークや、さまざまなメディアのクリエイターをしているトレイ・パーカー氏とマット・ストーン氏は、クリエイター向けのディープフェイクスタジオ「Deep Voodoo」の開発を継続するために2,000万ドル(約28億円)を調達しました。
この「The Heart Part 5」ではケンドリック・ラマーの顔は、O・J・シンプソン、ニプシー・ハッスル、コービー・ブライアント、カニエ・ウェストの顔に変化しています(^^)
- South Park creators’ deepfake video startup Deep Voodoo conjures $20M in new funding(12/22, 2022 TechCrunch)