ビンファスト(VinFast)はベトナムの自動車およびバイクメーカーです。ベトナム初の億万長者ファム・ニャット・ブオン(Phạm Nhật Vượng)氏が設立したベットナム最大の財閥ビングループの自動車産業を担っています。2017年設立のビンファストの目標は東南アジアでトップになることで、2025年までに年間50万台の製造を計画しています。8月16日に米ナスダック市場に上場し、取引初日の終値で評価した時価総額は、独フォルクスワーゲン、米フォードなどの自動車大手を上回って話題になりましたが、29日には急反落しています。
- VinFast(Website)
- ベトナムのEVメーカーが米ナスダック上場 時価総額で欧米の自動車大手超える(8/16 CNN)
- 新興EVのビンファスト株が急反落、時価総額約12兆円減少(8/30 Bloomberg)
2019年6月に年産25万台の工場を立ち上げ、2022年11月に輸出を開始しました。2022年以降は、電気自動車と電動バイクの製造に注力しています。EVのスポーツ用多目的車(SUV)やスクーター、バスを製造し、国内や北米で販売してきました。欧州進出にも意欲を示しています。当然に自動運転車も視野に入っています。
国内での売れ行きは好調ですが、2023年から納車を始めた米国での評価は厳しく、赤字経営が続いています。ビングループ副会長でビンファストCEOのレ・ティ・トゥ・トゥイ(Le Thi Thu Tuy)氏は、同社のナスダック上場をきっかけに、ベトナム企業が世界市場に参入する機会が広がることを願っていると述べて、上場で調達した資金を事業の拡張にあてると表明しています。
- CES 2023’s Must-See Highlights From VinFast(1/7 VinFast Community)
レ・ティ・トゥ・トゥイ氏は、1974年にベトナムのビンディン省に生まれ、ハノイ貿易大学(Foreign Trade University)と、国際大学、ハーバード・ケネディ・スクールでビジネスと経済学を学び、公認財務アナリスト(CFA)および経営学修士(MBA)を取得しています。彼女は2000年から2008年までリーマン・ブラザーズの副社長を務め、その後ビングループに入社して国際投資とパートナーシップに取り組み始めています。
展示会「VinFast – グリーンな未来のために」では、首都の人々が初めて乗用車、電気バス、電気バイク、電動自転車と電気自動車製品全体を、全セグメントの7モデルで構成しています。特にVF3ミニカーモデルは初めて一般に公開されました。 VF6、VF7、電動アシスト自転車も、国際市場で発売されてから初めてベトナムで展示されました。