Spiber(スパイバー)は、クモの糸を教材として世界初の人工合成による構造タンパク質素材 Brewed Protein™️(ブリュード・プロテイン™️)の量産化に成功したスタートアップ企業です。ブリュード・プロテイン™️ ポリマーは、再生不可能な石油化学素材ではなく、植物由来の糖類を主原料にして、微生物発酵プロセスで生産された再生可能な画期的な素材です。いま、ファッション業界でブリュード・プロテイン™繊維を使用した多様なプロジェクトや、サステナビリティ戦略を展開しています。
醸造プロテイン素材(ブリュード・プロテイン™️)は、絹のような光沢のある繊細なフィラメント繊維から、カシミアのような柔らかさ、ウールに代表される保温性と吸湿発散性などの特徴を誇る紡績糸まで、さまざまな形に加工できます。また、独自技術により魅力的な毛皮や皮革の代替品の生産も可能となり、べっ甲や動物の角によく似た樹脂に加工することもできます。医療用途から軽量複合材料まで幅広い用途が期待できます。
醸造プロテイン素材は、その多様性に加えて環境上の利点も提供します。主原料として石油化学素材に依存せず、環境に残留するマイクロプラスチックを生成しないように設計されており、海洋生態系への影響がかなり少ないと期待されています。さらに、独自の微生物発酵技術は、一般的な動物性繊維に伴う高い温室効果ガスの排出を含む、倫理的な問題や環境的な懸念を回避できる大きな可能性も示しています。
イースタンシーボード工業団地(ラヨーン)にあるスパイバーのタイ工場は、醸造プロテイン繊維の原料となる粉末の量産工場で、世界クラスの構造タンパク質の発酵および精製施設があります。
- Spiber (Thailand) Ltd.(Website)
スパイバーのサステナビリティ戦略について、2022年6月までのタイや米国を含めたグローバルな活動についての開示を目的とした、最初のサステナビリティ・インパクト・レポートを発行しています。
- Sustainability(Spiber)
- 【トップに聞く 2022】スパイバー関山和秀代表 人工クモ糸の開発からヒントを得た「ブリュード・プロテイン素材」の可能性(2/5, 2022 FASHIONSNAP)