アフリカ大陸南東の沿岸に位置しているモザンビークは、近年では気候変動の影響を受けて、2019年3月にアフリカと南半球を襲った史上最悪のサイクロン・イダイ(Cyclone Idai)が直撃、それによって発生したコレラなどで多くの人が命を落としています。この早期警報システムが導入されれば、暴風雨・洪水・干ばつによる被害を減少させることが期待されています。フィリペ・ニュシ(Filipe Nyusi)大統領は、2027年末までにすべての人への早期警報を実現するという野心的な国家ロードマップを発表しました。
- Mozambique takes strides towards Early Warnings for All(8/22 WMO)
- 気候変動への適応にモザンビーク動き出す(8/25 GNV News)
- 日本の早期警報システムに見る、効果的な気候変動適応策(9/21, 2023 世界経済フォーラム)
ニュシ大統領は、「モザンビークは、特に洪水、サイクロン、干ばつといった極端な自然現象によって引き起こされる災害の絶え間ない脅威にさらされている国です」「インド洋を襲う熱帯低気圧とそれに伴う沿岸部および内陸部の洪水に定期的に見舞われています。人口の60%以上が沿岸部の低地に居住し、雨水農業に大きく依存しているため、インフラと生活へのリスクが高まっています」と述べています。
グテーレス国連事務総長が立ち上げた「すべての人のための早期警報」プログラムは、”人命を救う早期警報を通じて、地球上のすべての人を危険な天候、水、気候変動から確実に守る画期的な取り組み”です。2027年末までにシステムを完成させるとしています。
災害への備えと対応につながる早期警報は人命を救います。気候変動災害がさらに頻発化・激甚化し、致命的になる中で、早期警報はあらゆる人にとって不可欠となっていますが、世界的にみると3人に1人が未だに警報でカバーされていません。「予測可能な災害で人命が失われることがあってはなりません」と、ジャガン・チャパゲイン(Jagan Chapagain)IFRC事務総長は述べています。
早期警報システムは、暴風雨、洪水、熱波、津波などの様々なハザードから人々と資産を守るための比較的安価で効果的な方法であることから、手の届く気候変動適応策として広く認識されています。
• 早期警報システムは投資額の 10倍を超える利益をもたらします。
• 迫り来る危険事象を 24時間前に通知するだけで、それがもたらす被害を30%軽減することが可能です。
• 気候変動適応グローバル委員会によると、開発途上国においてそのようなシステムに8億米ドルを費やすだけで、年間 30億ドルから 160億ドルの損失を防ぐことができます。
- Early Warnings for All(pdf)(6/19, 2023 国連広報センター)
「すべての人に早期警報システムを」イニシアチブの規模を拡大し、具体的なアクションにつなげる - Early Warnings for All(earlywarningsforall.org)
いまでも気候変動(地球温暖化)についての思い込みや嘘(デマ)が幅広く流布しています。ここでは、重要な事実(ファクト)を紹介しています。これらを共有し、利用し、話題にすることで、誤情報や偽情報に対抗し、迅速な行動への支援体制をつくっていきましょう。(UNIC)
- 気候変動についての「思い込み」を検証する(国連広報センター: UNIC)