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Syria mass grave

シリア各地の集団墓地、10万人以上が拷問されて埋葬か

シリア国民が全土に存在するという集団墓地の実態解明に着手しています。既に国外逃亡した独裁者、バッシャール・アル=アサド前大統領の過酷な統治下で行われた残虐行為の規模が明らかになりそうです。かつて戦争犯罪問題担当特使を務めた元米外交官のスティーブン・ラップ(Stephen Rapp)氏は「拷問されて死んだ人々が10万人以上いることは間違いない」「ナチス以降、このようなことは見たことがない」と語っています。

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シリアの集団墓地、拷問の被害者10万人以上を埋葬か ナチス以来の組織的な集団虐殺と米元外交官 / ロイター(YouTube)

かつて戦争犯罪問題担当特使を務めた元米外交官のスティーブン・ラップ(Stephen Rapp)氏が、首都ダマスカス近郊のクタイファとナジャにある集団墓地を訪れました。ラップ氏はアサド前政権下で国家による「デスマシーン(死の装置)」が存在したと語ります。そして「このデスマシーンの中に消えていき、拷問されて死んだ人々が10万人以上いることは間違いない」と指摘しました。

さらに、「ナチス以降、このようなことは見たことがない」と述べ、現地で目にしたことから被害者の数について大きな疑問はないとしました。

ラップ氏は、シエラレオネ特別法廷ルワンダ国際戦犯法廷で訴追を指揮した経験を持ち、シリアの市民団体などと証拠を文書化し、戦争犯罪を裁く裁判の準備を進めています。

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シリアの集団墓地、拷問の被害者10万人以上を埋葬か ナチス以来の組織的な集団虐殺と米元外交官 / ロイター(YouTube)

ハーグの国際行方不明者委員会(ICMP)によると、シリアにはまだ確認されていない66もの集団墓地が存在する可能性があるとしています。同委には約15万人が行方不明者として報告されています。大半はアサド前政権や関係機関により拉致、拘束された人々だとされます。

米非営利団体シリア緊急タスクフォース(Syrian Emergency Task Force:SETF)のムアズ・ムスタファ(Mouaz Moustafa)代表は多くの集団墓地が存在しているとして、各国の専門家にも、実際にシリアを訪れ、遺体の掘り起こしや身元確認を支援するよう強く呼び掛けています。

2011年から2024年まで続き、1960年以降の世界史において最も難民が発生した戦争と言われているのがシリア内戦です。グータ化学攻撃は、2013年8月21日のシリアのグータで起こった化学兵器による攻撃事件です。シリア反政府軍の支配下のダマスカス近郊の2ヶ所の地区において、サリンを搭載したロケットが打ち込まれました。死者数は推定によれば最低281人から1,729人にのぼります。

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