コンテンツへスキップ

地球で最後の雄だったキタシロサイ「スーダン」の死の意味

  • Media

ケニアのオル・ペジェタ保護区(Ol Pejeta Conservancy)で、2018年3月19日、地球で最後の雄だったキタシロサイ「スーダン」が高齢化(45歳)に伴う合併症が著しく悪化したため、安楽死でその生涯を終えています。フォトジャーナリストのアミ・ヴィターレ(Ami Vitale)氏が「死期が迫るスーダンと慰める飼育員(Joseph Wachira)さん」を撮影したこの写真は世界中で高く評価され、数多くの人々の心に響きました。私たち人類の運命と動物たちの運命はつながっています。

Joseph Wachira comforts Sudan, the last male northern white rhino left on the planet, moments before he passed away at Ol Pejeta Wildlife Conservancy in northern Kenya. / Ami Vitale

1960年の時点でアフリカにいたキタシロサイの個体数は2,000頭以上いたものの、1984年の段階では15頭まで減少しました。国際自然保護連合(IUCN)が発表した報告によれば、2013年だけでも「角」を狙った密猟が急増して11分に1頭の割合でアフリカに生息するサイが殺されていました。

ナショナルジオグラフィックの写真家兼映像作家で、Vital Impactsの共同設立者アミ・ヴィターレ氏は「スーダンの死は無駄ではなかったと信じています。これが、私たち皆にとって、これらの動物たちの素晴らしさに気づき、彼らを救うのはまだ遅くないという警鐘となることを願っています」と語ります。

スーダンの死についてオル・ペジェタ保護区は、「キタシロサイの種を保存する唯一の希望は、残った2頭の雌の卵子と、保存されている雄の精子を体外受精の技術で育て、ミナミシロサイの雌を代理母にすること」と述べています。いま絶滅危惧種の救済へ前進しています。

過去50年間で、世界の野生生物の73%が失われました。この厳しい現実は、私たちが直面している生物多様性の危機がいかに深刻であるかを浮き彫りにしています。今行動を起こさなければ、救えるものはほとんど残っていません。地球の未来は私たちの手に委ねられています。私たちは、圧倒されたり、誰かが問題に対処してくれることを期待したりしていてはいけません。私たち一人ひとりが、私たちが暮らしたい世界を形作る力を持っているのです。

Vital Impactsは、アートと環境ジャーナリズムを通して、地域社会の視点、課題、そして解決策を広く発信しています。私たちは、地域社会の声と知識が評価され、尊重され、より幅広い聴衆と共有されるよう努めています。さらに、対面式の学生スピーカープログラムを通じて、若者の教育、自然界への愛の育成、そして彼らが自らの声で前向きな変化を起こせるよう支援することに注力しています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください