米国防高等研究計画局(DARPA)がヒト型ロボット「Atlas」を公開しました。
「Atlas」は、DARPAが今年12月に開催する災害対応ロボット技術の競技会「DARPA ロボティクス・チャレンジ 2013(DRC)」の共通プラットフォームとして、MIT発のベンチャー企業ボストン・ダイナミクス(Boston Dynamics)によって開発されたものです。
Atlas は身長 188cm、体重 150kg。28個の油圧駆動間接をもち、起伏のある場所でも安定した二足歩行が可能です。頭部にはステレオカメラとLIDAR(ライダー)を搭載、周囲の情報を取得しています。
LIDARは光によるリモートセンシング技術で、人工衛星や航空機による地形サーヴェイや「グーグルカー」等などで利用されています。
競技参加チームは Atlas の「人工知能」を開発し、実際に Atlas を動かして、与えられた課題を達成する優劣を競います。
競技種目は、瓦礫の除去、クルマの運転、梯子の昇降、ヴァルヴの操作、工具を用いた壁の切断、消火ホースの接続など……実際の災害現場で必要な課題そのもので、参加チームには Atlas の能力を最大限に引き出す、いままでにない先進的なソフトウェアの開発が求められます。
現在、9チームが12月開催(DRC1)に進出しました。
- >MEMBERS OF TOP NINE SOFTWARE TEAMS MOVE FORWARD FROM DARPA’S VIRTUAL ROBOTICS CHALLENGE(June 27, 2013)
このDARPA主催ヒト型ロボット競技会には、ロボット研究で30年以上の歴史を持つ、東京大学出身のロボット研究者らが立ち上げた株式会社シャフト(SCHAFT Inc.)が参加しています。
シャフト社は、ロボットのハードウェアとソフトウェアを一体にした「Track A」部門に参加(YouTube)、現在以下の6チームが12月開催(DRC1)に進出しています。
・Carnegie Mellon University, National Robotics Engineering Center – CHIMP
・Drexel University – Hubo
・NASA Jet Propulsion Laboratory – RoboSimian
・NASA Johnson Space Center – Valkyrie
・SCHAFT Inc.
・Virginia Tech – T.H.O.R.
- ヒト型ロボット技術を競う「DARPA Robotics Challenge 」(追加: DRC1結果発表)
- 東大出身ベンチャー・SCHAFT社に支援の輪、DARPA Robotics Challenge(日刊工業新聞)
- DARPA Robotics Challenge website(Official site)
- DARPA’S ATLAS ROBOT UNVEILED(July 11, 2013)
- 『ターミネーター』の世界が現実に:DARPAの人型ロボットAtlas(Wired.jp)
- ロボット:タグ(Nobuyuki Kokai)