12月21日、イーロン・マスクの宇宙開発企業 SpaceX が、Falcon9ロケット第1段部分の垂直着陸に成功しました。
これまで Falcon9ロケットは3度に渡って垂直着陸を失敗。イーロン・マスクの誕生日でもあった2015年6月28日の打ち上げでは、リフトオフから2分20秒後に液体酸素タンクの圧力異常が発生、ロケットもろとも木っ端微塵となり、初めて打ち上げそのものにも失敗する事態となっていました。
今回の「ORBCOMM-2」ミッションは、米衛星通信サービスORBCOMMの衛星11機をFalcon 9に搭載して低周回軌道まで運び、軌道上で(衛星を搭載した)第2段ロケットを切り離して、第1段ロケットを地上に垂直着陸させるというものです。(下図参照)
再利用型 Falcon9 ロケット(Star Warsのミレニアム・ファルコン号に由来)は、第2段ロケットが通信衛星を無事に軌道へと投入。第1段ロケットの回収では、燃料の噴射で減速しながら降下して、目標となるケープ・カナべラル空軍基地の着陸ステージの上に舞い降りてきた第1段ロケットは、そのまますんなりと軟着陸を果たしました。(YouTube動画)
Falcon 9(SpaceX) ロケットの第1段の回収が確実に可能となれば、打ち上げ費用は約1/10ほどに低減できるとのことです。SpaceX は最終的にはロケットすべての回収を目指す計画としています。
- SpaceX Photos(Flickr)写真集
- SpaceX、大型ロケット Falcon 9第1段の垂直着陸に成功。打ち上げコスト削減に1歩前進(Engadget日本版)
- 宇宙事業に挑戦する起業家イーロン・マスク(SpaceX)(Nobuyuki Kokai)
- ブルーオリジン(Blue Origin)の宇宙船、商業飛行目指す(Nobuyuki Kokai)