5月14日、Googleは年次開発者会議 Google I/O 2024」 を開催しました。スンダー・ピチャイCEOは、生成AI「Gemini」のこれまでの成長について語り、150万以上の開発者が活用しているといいます。次世代AIアシスタント「Project Astra」や、生成AI検索（Google SGEを AI Overviewに変更）の一般展開など、ほぼAI関連一色の基調講演でした。それらは近未来の知的エージェントを予感させるものでした。
- Google IO 関連情報（Google検索）
- Google I/O 2024（Website/日本語）
デミス・ハサビス氏が速度と効率性を追求した軽量モデルである新しい「Gemini 1.5 Flash」や、「AIアシスタント」の将来に対する当社のビジョンである「Project Astra」など、Geminiファミリーのモデル全体のアップデートを説明しています。
1.5 Flashは、1.5 Proよりも軽量で、APIで提供される中で最も高速なGeminiモデルです。大規模かつ高頻度のタスク向けに最適化されており、コスト効率が高く1.5 Pro同様に100万トークンが利用できます。
さらに、次世代AIアシスタントの構築（Project Astra）について、その楽しいプロトタイプのデモ動画が下記です。ハサビス氏は、「このようなテクノロジーがあれば、人々がスマートフォンやグーグル・メガネを通して専門のAIアシスタント（＝知的エージェント）をそばに置くことができる未来を想像するのは簡単です」と述べています。
動画には2つの連続テイクがあり、最初はGoogle Pixelスマートフォンで実行し、次はメガネ型デバイス（Google Glass）で実行しています。
Search Labsでの実験を通じて、人々はすでに「AIまとめ」を何十億回も使用しています。記事の概要と詳細を学ぶためのリンクの両方を入手できることを気に入っています。「AIまとめ」を使用すると、人々はより多くの検索を使用し、その結果に対する満足度が向上することが解りました。すぐに答えが欲しいのに、必要な情報をすべてまとめる時間がない場合、生成AI検索が自動的に作業を実行します。
Geminiモデルの複数ステップの推論機能により、「AI Overview」は複雑になる質問の解決に役立ちます。質問を複数に分割するのではなく、ニュアンスや注意点を念頭に置きながら、複雑な質問を一度に行うことができます。今週には数億人のユーザーが「AI Overview」にアクセスできるようになり、年末までに10億人を超えるユーザーが「AI Overview」にアクセスできるようになると予想されます。
- Generative AI in Search: Let Google do the searching for you（5/14 blog.google）
200万トークンの「Gemini 1.5 Pro」だと、2時間のビデオ、22時間のオーディオ、6万行以上のコード、140万単語のテキストを入力できるようになります。Googleによると、ライバルの「GPT-4 Turbo」は12.8万トークン、「Claude 3」は20万トークンなので、文字通り桁違いのコンテキストウィンドウを備えています。
2010年09月、当時のシュミットCEOは、「近い将来、Googleの検索エンジンは”天気はどうか？”といった質問を解釈し、ユーザーが知りたいのがレインコートを着る必要があるかどうかなのか、それとも植木に水をやる必要があるかどうかなのかを判断できるようになる」と話しています。
Google Instant が AI で進化する（Google’s First Production Server / 1999）
