10月1日、Googleは6月に予告していた新しいニュース体験として Google News Showcase を発表しました。CEOサンダー・ピチャイ(Sundar Pichai)氏は、Google Newsに登場する新しい News Showcase向けに「高品質のコンテンツを制作してキュレートするため」に、コンテンツ出版元に記事使用料として向こう3年間で10億ドル(約1,050億円)を支払う」と述べました。News Showcaseは Android版の「Google News」アプリで表示され、間もなくiOS版にも提供されます。
- Our $1 billion investment in partnerships with news publishers(10/1 blog.google)
News Showcaseでライセンスするメディアは、News Showcaseに表示させるストーリーをキュレーションできます。Googleのアルゴリズムが表示する記事を選ぶのではなく、メディア側が読者に届けたいコンテンツ(動画や音声も可)を編集できる仕様です。
また、ペイウォール(サブスクリプションしないと記事を読めないようにすること)を設けているメディアが読者を増やすために、読者が一部の有料記事を読めるよう Googleが記事無料化の対価をメディアに支払う取り組みも行うようです。
メディアにはGoogleがライセンス料を支払うだけでなく、関連記事などを掲載してメディアのサイトへ読者の誘導も可能になります。Googleに対しては、検索結果やDiscoverに記事の要約を表示することでメディアに読者を誘導せず、コンテンツを無料で利用しているという批判が高まっていました。
最後にピチャイ氏は、「広告と購読収入に基づく新聞のビジネスモデルは、ラジオ、テレビの開始、次にCATVや衛星メディア、そしてネットニュースが登場するなかで、一世紀以上にわたって緩やかに変遷・進化させてきました。」
「インターネットは最新のシフトですが、これが最後ではないことは確かです。私たちは、他の企業、政府、市民社会と並んで、21世紀のジャーナリズムが生き残るだけでなく、繁栄するのを支援することによって、私たちの役割を果たしたいと考えています。」と述べています。
既にドイツ、ブラジル、アルゼンチン、カナダ、英国、オーストラリアで約200社の主要なメディアと契約済み(日本については言及していない)。受賞歴のある全国紙の他、地域で重要なメディアが選ばれています。
- グーグルがニュース新サービス立ち上げ、今後3年間で記事使用料約1050億円支払いへ(10/2 TechCrunch Japan)
- ジャーナリズムを支援する「News Initiative」に3億ドル(Google)(3/22,2018 Nobuyuki Kokai)