2016年5月30日、スイスの国際経営開発研究所(IMD)は、主要61カ国・地域を対象にした2016年版「世界競争力ランキング」を発表しました。2016年総合の首位は香港、2位はスイス、3年連続首位だった米国は、依然として世界最高の経済パフォーマンスを誇っていますが3位になりました。
シンガポール、スウェーデン、デンマーク、アイルランド(前年16位)、オランダ(前年15位)、ノルウェー、カナダが世界競争力トップ10に入っています。ドイツ(前年10位)が12位とトップ10から落ちています。
アジア太平洋地域では、中国が22位から25位に下げたのをはじめ、台湾(14位)、マレーシア(19位)、韓国(29位)、インドネシア(48位)など、2015年からの競争力後退が目立ちます。
日本は26位で2015年(27位)から順位を1段階上げました。
経済状況(Economic Performance)が29位から18位、低迷している政府の効率性が、42位から37位と若干順位を上げました。しかし、ビジネス(民間)の効率性は、25位から29位へ下げています。
日本の過去5年間の世界競争力(21位〜27位)は殆ど向上していません。金融政策や財政政策では日本経済の体質改善になりません。旧来(20世紀的)の「内向きな論理」や「岩盤規制」、そして全ての分野で日本国内の特殊性だけを誇張した「村社会的な発想」を大転換する必要があります。
安倍政権は2016年を「一億総活躍社会元年」とするとしていますが、米コロンビア大学のフェルプス教授が指摘した協調組合主義(コーポラティズム)との決別が必須のように思います。
- IMD World Competitiveness Yearbook 2016 Results(IMD)リリース
- The 2016 IMD World Competitiveness Scoreboard(pdf) 61位まで
- JAPAN: COUNTRY PROFILE(IMD World Competitiveness Center)