4月19日、米航空宇宙局(NASA)は、火星での超軽量小型ヘリコプター・インジェニュイティ(Ingenuity)の初飛行に成功しました。同機から取得したデータで確認されました。ジェット推進研究所(Jet Propulsion Laboratory: JPL)のエンジニアが「高度計のデータから、インジェニュイティが地球以外の惑星で初の動力飛行を行ったことが確認された」と述べると、管制室は喝采に包まれました。(下記のYouTube参照)
- NASA’s Ingenuity Mars Helicopter Succeeds in Historic First Flight(Apr 19, 2021 NASA)
- MARS 2020 Mission(NASA) 公式サイト
超軽量小型ヘリコプターは、地上から3メートルほど上昇し、空中に約30秒間とどまった後、安全に着陸しました。上昇と下降を含めた飛行時間は計40秒弱で、上空から画像も撮影しました。NASAは今回を含め、1カ月間に5回の飛行実験を計画しています。
インジェニュイティーは重さ約1.8キロで、長さ約1.2メートルの回転翼を持っています。太陽光を動力源とし、NASAジェット推進研究所から探査車パーサヴィアランス(Perseverance)経由で無線信号を送って操縦します。
火星の大気密度は地球の1%程度です。上昇できる十分な推進力を得るため、機体は極限まで軽量化され、翼の回転速度は通常のヘリを大きく上回ります。インジェニュイティーには特別の観測機器を搭載していませんが、火星での飛行実験成功で、車輪で移動する探査車が立ち入れない場所での詳細な探査に道が開けました。
- Ingenuity (helicopter)(Wikipdeia)
- NASAの火星ヘリ関連ニュース(Google検索)