2023年第95回アカデミー賞で、世界的に大ヒット中のインド映画「RRR」に登場する劇中のダンスバトル曲「ナートゥ・ナートゥ」が歌曲賞を受賞しました。また、「エレファント・ウィスパラー:聖なる象との絆」が短編ドキュメンタリー賞を受賞しています。国連の人口予測では2023年中に中国を追い抜いてインドが人口世界一となります。経済成長に伴ってインド映画がOscar2部門で初受賞しています。
- RRR (Rise Roar Revolt)(IMDb) Ratings: 7.9
- エレファント・ウィスパラー 聖なる象との絆(IMDb) Ratings: 7.3
エレファント・ウィスパラー: 聖なる象との絆(The Elephant Whisperers)は、カルティキ・ゴンサルヴェス(Kartiki Gonsalves)監督による2022年のインド・米国の短編ドキュメンタリー映画です。ゴンサルヴェス氏は、アニマル・プラネットとディスカバリー・チャンネルのカメラオペレーターとして働いてきたドキュメンタリー映画製作者兼写真家です。
映画はラグーという名の子象を預かった先住民族のボンマンとベリの夫婦の物語です。夫婦は傷つきやすいラグーが元気に成長できるよう細心の注意を払って世話をします。やがて夫婦とラグーのあいだには強い絆が生まれます。南インドのムドゥマライ国立公園(Mudumalai National Park)を舞台としたこのドキュメンタリーでは美しい自然にもスポットが当てられています。
ナートゥ・ナートゥ(Naatu Naatu)は、リズミカルなビートやまねしたくなる軽快なステップ、ダンスに込められたさまざまな感情や、ダンスバトルが語る物語などが大勢を魅了し、米ゴールデン・グローブ賞や放送映画批評家協会賞の歌曲賞を受賞しています。米国とカナダの批評家からなる放送映画批評家協会は、「RRR」を外国語映画賞にも選んでいました。
タイトルの「RRR」は英語では、「Rise(蜂起)、Roar(咆哮、ほうこう)、Revolt(反乱)」を意味します。「ナートゥ(naatu)」はテルグ語で「その土地由来の」「素朴な」「田舎の」などを意味しており、曲には、テルグ語圏の伝統的な民謡などで多く使われるビートを使い、歌詞の内容も地域色の強いものになっているそうです。
- インド映画「RRR」の「ナートゥ・ナートゥ」、アカデミー賞歌曲賞 インドが2部門で初受賞(3/13 BBC News Japan)