業績不振のSHARPは、再建スポンサーの選定で、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業(Foxconn)に実質的な優先交渉権を与え、同社の傘下で再建を目指す方針を決めました。
スポンサーには政府系ファンドの産業革新機構も名乗りを上げていましたが、ホンハイが支援金額を7,000億円規模に引き上げたことなどを踏まえ、条件面で優れていると判断しました。
また、雇用やSHARPブランドの維持、事業の切り売りはしないなどの提案内容を評価しています。
総額7,000億円のうち、SHARP本体には成長資金として5,000億円を投じます。
郭台銘(かく たいめい、1950年10月8日-)氏は、台湾の実業家で鴻海精密工業(鴻海精密工業有限公司)、現鴻海グループ(鴻海集團、Foxconn)を部分的に所有しています。山西省をルーツに持つ外省人で、日本でも英語名のテリー・ゴウで呼ばれることがあります。
1974年、24歳の頃に投資資本額30万台湾元を集めて「鴻海プラスチック企業有限公司」を設立し、プラスチック製品の製造・加工を始めました。
「鴻海」の由来は「鴻海千里、海納百川(鴻は千里を飛び、海はすべての川を納める)という意味で、企業が大きく羽ばたくよう期待したそうです。1975年に「鴻海工業有限公司」と改名しています。
フォーブスのテクノロジー部門資産家(The Richest People in Tech)で34位です。2015年の番付によると、台湾で第4番目の富豪です。
フォックスコン(ホンハイ)は、2015年8月に中国のスマートフォンメーカー大手、小米科技(シャオミ)と提携し、世界3位のスマホ市場であるインドで同社製品の現地生産を開始すると発表しています。
SHARPを傘下にして、世界のメーカーを相手とした電子機器受託生産 (EMS) だけではなく、その多彩な販路も活かし現地のニーズに合わせた製品販売を志向すると思われます。
- #34 Terry Gou: $5.3 Billion(Farbs)
- China’s Premier Tech Manufacturer Going To India(Farbs)
- シャープ再建、ホンハイに優先交渉権 約7000億円を投入=関係筋(ロイター通信)
- 台湾 鴻海(ホンハイ)精密工業/フォックスコン(Foxconn)(4/13,2012 Nobuyuki Kokai)