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この動物は植物です…って一体どういう意味?(TED-Ed: Luka Seamus Wright)

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エリシア・クロロティカ(Elysia chlorotica)などのウミウシ(海牛)の種は、ウミウシらしい姿をしていません。まるで、きれいな緑の葉っぱのような外見をしています。地球上で最も珍しい生き物の一つです。北米東海岸の塩湿地に生息し、1年間、何も食べなくても生きることができ、その間は、植物のようにして生きています。どうしてそんなことができるのでしょうか? 講師のルカ・シェイマス・ライト(@LukaSeaWright)さんが、エリシア・クロロティカに代表される「混合栄養生物」の驚異の適応能力を詳しく解説します。

These animals are also plants … wait, what? – Luka Seamus Wright

一般的に 動物は「従属栄養生物」に分類されます。自分で栄養を作ることができず、他の生命体を捕食する生き物です。そして、植物は「独立栄養生物」と呼ばれ、太陽光や二酸化炭素、そして無機化合物を使い 自ら栄養を生産できます。植物は、その緑色の元である葉緑体という小器官で、光合成を行い太陽光を栄養へと変換します。

エリシア・クロロティカが属するのは「混合栄養生物」です。藻類を食べると細胞に穴をあけ、光合成を行う能力を盗み取ります。細胞のほとんどを消化しますが、葉緑体は消化されないまま消化器官の上皮細胞に取り込まれます。消化器官は平たい体全体に枝分かれしていて、これによりウミウシは、葉っぱのような外見になり、栄養を作ると同時にカモフラージュの能力も得るのです。

驚くような適応能力ですが、捕食物から葉緑体を盗むウミウシは70種以上存在します。

混合栄養は、両方向に起こることもあります。トリポス・フルカ(Tripos furca)という藻は、1日に数匹の微小動物を食べることで、光合成が行えない暗闇でも数週間生存することができます。逆にトリポス・フルカは、他の混合栄養生物の藻類に食べらることで、葉緑体などの細胞小器官を頻繁に交換する機会を与えます。このようにして、マリアナ海溝のように植物が生息できないような暗い海でも、藻が生き延びられると推測されています。

エリシア・クロロティカが光合成を行ない、トリポス・フルカが摂食モードを切り替えるプロセスは、科学者たちが仮定した植物の起源を彷彿させるものです。それは、単細胞の動物がシアノバクテリアを食べ、食べられたシアノバクテリアの一部が消化されずに単細胞動物の体内で生き続け、これによって葉緑体が誕生したという仮説です。

頭部から心臓を含む胴体を再生させるウミウシ(奈良女子大)


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