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アフリカ東部の食糧危機とサバクトビバッタの猛威

サバクトビバッタ(砂漠飛蝗)は、時々大発生し、有史以来、アフリカ、中東、アジアに被害(蝗害)を与え続けています。国際連合食糧農業機関(FAO)は、過去70年間で最悪となったケニアでは 7万ヘクタールの農地が被害を受け、エチオピアではすでに穀物の40%くらいが食べられ、ソマリアでは家畜用の草がほとんどなくなっているとしています。各国では新型コロナウイルスの感染拡大でバッタ対策が制約を受けており、国連は「2,000万人近い人が深刻な食糧危機にある」と訴えています。

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Desert Locust situation update / FAO

サバクトビバッタの大量発生は、2018年にアラビア半島のイエメンとオマーンに発生したサイクロンによる大雨が引き金になっています。2019年には、サウジアラビアや紅海沿岸の国々に飛んでいって繁殖しています。今年、エチオピア、ケニア、特にソマリアでは、サイクロンが頻発して草が常にある状況となり、バッタがさらに増殖して大発生につながっています。背景には異常気象があります。

サバクトビバッタは「蝗害」を起こす前に、普段の「孤独相」と呼ばれる体から「群生相」と呼ばれる移動に適した体に変化します。これを相変異と呼びます。体の筋肉が増え、体色は「くすんだ茶色がかった緑色」から非常に目立つ「黄色と黒」に変わります。有毒の植物も食べることと関係があるとのことです。

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Desert Locust Forecast / FAO

「群生相」のサバクトビバッタについて、翅(はね)のないホッパー期の状態をバンド(Band)、翅の生えた成虫期の状態をスワーム(Swarm)と呼んで区別します。バンドの状態でも、1日200mから1,700mも移動します。スワーム状態では、翅があるため移動距離が長く、しかも風に乗って一定の方向に飛ぶ習性があり、1日で100km以上移動するケースもあるそうです。

FAOでは、バッタの群れはアラビア半島と西アフリカに向かっています。ただ、東アフリカでの降雨、風、春の繁殖により、今月中に大きく変化する可能性があるとしています。

アフリカでバッタが大量発生し。穀物を徹底的に食い尽くしています。折しも農家の作付けが始まったばかりの上、新型コロナウイルスのパンデミックによって専門家が現地に足を運べない状況です。まさに最悪のタイミングともいえるバッタの襲来の被害は、いかに食い止めることができるのか。(Wired.jp)

気候変動の極端化でアフリカにバッタが大量発生


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