トルコがシリア北部で軍事作戦、クルド人勢力を排除

10月9日夜、トルコ国防省はシリア北部に部隊を派遣し、地上での軍事作戦を開始したと明らかにしました。シリア北部は米国と協力関係にあるクルド人勢力が実効支配していますが、このクルド人民兵組織「人民防衛部隊:YPG」を国内の分離独立闘争とつながるテロ組織とみなすトルコは、国境沿いから排除するためとしています。

国境沿いに安全地帯をつくり、内戦から逃れてトルコに居住しているシリア難民の帰還先にしたいと考えていますが、地上からの軍事作戦も開始されたことで戦闘の激化が懸念されます。クルド側は、攻撃で市民など合わせて15人が死亡したと発表しています。

Turkey Begins Airstrikes And Operations In Northern Syria | Velshi & Ruhle | MSNBC

ISの掃討とともにクルド人勢力がシリア北部で支配地域を広げたのに対し、国境を接するトルコは、自国の安全を脅かすものだとして2016年と2018年1月20日(作戦:オリーブの枝)、大規模な軍事作戦を行ったほか、国境沿いからクルド人勢力を排除して、シリア領内に武力衝突を避ける「安全地帯」を設置すると繰り返し主張していました。

トルコ軍がシリア北部で軍事作戦を始めたことについて、トランプ大統領は声明を発表し、「攻撃を支持しないし、この作戦はまずい考えだとトルコには明確に示してきた」と述べました。軍事作戦を黙認したとして反発が相次ぐ中、作戦と距離を置く姿勢を強調するねらいがあるとみられます。

EUのユンケル委員長は、ヨーロッパ議会で「トルコに対して、自制的に行動し、作戦を停止するよう求める。このような軍事行動はよい結果につながらない」と述べ、直ちに作戦を停止するよう求めました。EUは、シリアからトルコを経由してEU域内に入る難民が2015年から急増したことからトルコと合意を交わし、トルコが難民を国内にとどめるのと引き換えに巨額の資金援助をしています。

米国では、議会の与野党の議員から、対テロ作戦で協力してきたクルド人勢力を裏切ったなどとして批判の声が相次いでいます。共和党の重鎮でトランプ大統領に近いグラム上院議員はツイッターに「トランプ政権によって臆面もなく見捨てられた、われわれと協力関係にあるクルド人勢力のために祈ろう。これは過激派組織IS=イスラミックステートの復活を招く動きだ」と投稿し、混乱に乗じてISが復活することに強い懸念を示しています。


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