メソポタミア文明最古の都市ハサンケイフがダム建設で水没

トルコ南東部のハサンケイフ(Hasankeyf)は1万2000年の歴史を持ち、メソポタミア文明最古の都市の一つとされます。12世紀の橋や15世紀の円筒形の墳墓、2つのモスク(イスラム教礼拝所)跡や数百カ所の洞窟が残る遺跡の街です。チグリス川をせき止めて建設されるウルス・ダム(Ilısu Dam)の計画をめぐっては、十数年前から論争と批判が続いてきました。ハサンケイフの水没に抗議して、英国などの外国政府や欧州企業は支援を打ち切っていました。2018年2月にダムは完成、2019年7月下旬から貯水を開始、街は10月8日以降立ち入り禁止になります。

古代都市ハサンケイフの高台には、新石器時代の人々が掘った洞穴と、ビザンチン帝国時代の要塞の遺構が見られます。古代ローマ時代の痕跡がある集落には、シルクロードに沿って架けられた橋など、中世のイスラム建築も残されています。
 
トルコのチグリス川をせき止めるダム建設について、川の下流に位置するシリアとイラクは、生きるために不可欠な水を奪われると抗議の声を上げていました。しかし、2006年8月、トルコ政府は巨大ダム建設に着工しています。

Hasankeyf / Wikipedia

トルコは20世紀前半から近代化プロジェクトを推進、比較的貧しい少数民族が暮らす南東部について、地域の救済策としてチグリス=ユーフラテス川流域に22カ所のダムと19カ所の水力発電所、そして道路や橋などのインフラを建設することに決め、計画は「南東アナトリア開発計画」(トルコ語の略称でGAP)と名づけています。

ウルス・ダムは全長400キロにわたる河川の生態系や数十カ所の集落、300カ所の遺跡を水没させることになります。一部の遺物はほかの土地に移されましたが、およそ1万5000人が立ち退くことになるということです。町の存続を訴える団体「ハサンケイフ・マターズ」を創設したジョン・クロフットさんは、「イラクとシリアに対し、水は武器となるのです」と言います。

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