新型コロナのワクチン開発、迅速化とヒト感染試験

世界保健機関(WHO)によりますと、新型コロナウイルスのワクチン開発は、世界で100種類以上の研究が進められていて、このうち少なくとも10種類については、実際に人に接種して安全性や効果を確かめる臨床試験が始まっています。先行する英オックスフォード大学が、英国政府の支援を受けて開発中のワクチンは、4月に1,000人規模の臨床試験(第1相試験)が始まり、7月には最終段階(第2/3相試験)に入る見通しです。また、米国立衛生研究所(NIH)と米国製薬企業「モデルナ」が開発中のワクチンは、安全性を確かめる第1段階の臨床試験が始まっていて、こちらも7月には、より多くの人に接種して、効果などを確かめる臨床試験の最終段階に進む見通しです。

日本国内でも大手製薬会社やベンチャー企業、大学などの研究機関が開発に取り組んでいて、製薬会社などが主導する4つの研究と大学などの研究機関が主導する5つの研究に対し、国が新たに70億円余りを補助することが決まりました。国内でも早ければ今年の夏にも、実際に人に投与する臨床試験が始まる見通しです。

新型コロナのワクチン開発を迅速に行うために、健康で比較的リスクの低い成人に、ヒト感染試験(human challenge trial)への参加を呼びかけていました。その結果、102の国から25,104人のボランティア志願者が集まりました。(5月24日現在)

一日でも早く(1 Day Sooner)というキャンペーンでは、「統計モデルによれば、ワクチンの完成が一日早まっただけで、7120人の命が救われるといいます。3ヶ月早めることができれば、60万人の人たちが助かることになる」と述べています。

従来の治験では、ワクチンが接種された後、普段の生活を送りながら実社会において予防効果があるのかどうか確かめられます。しかし、参加者のうち、病気に接触するのは一握りであるために、ワクチン接種グループとプラセボ(偽薬)グループとの違いを明らかにするには、それだけ大勢の参加者と、かなりの時間が必要になります。

ヒト感染試験(Human challenge trial)では、自らの意思でウイルスに感染してくれる人が100人いれば、ワクチンの効果と安全性をすぐに確かめることができます。こうした取り組みは、過去にも腸チフス、コレラ、天然痘、デング熱、ジカ熱などでも行われてきました。

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