日本の人づくり革命と、ドイツの再教育戦略

JST研究開発戦略センター(CRDS)のデイリーウォッチャーをご覧の方も多いと思います。その中で、ドイツの専門人材戦略と再教育戦略は「継続教育と再教育は個人にとって当然のもの」としており、興味深いものがあります。

高等教育機関(4年制大学)への25歳以上の入学者割合(下図)を見ると、日本は他国と比較して、その割合が著しく低い状態です。日本の低スキル労働者や離職者は、訓練機会から排除されてしまう悪循環に陥っています。

リカレント教育-高等教育機関(4年制大学)への25歳以上の入学者の割合 / OECD-文部科学省

ドイツの連邦教育研究省のカルリチェク大臣は、国は再教育戦略への道を歩み出している。誰もが才能、能力、可能性を有しており、社会において積極的な再教育文化を必要としている。継続教育と再教育は個人にとって当然のものでなければならない。このためには適切な機会提供と制度の透明性を必要としている。国の再教育戦略は理論と実際を結びつけるための革新的な方法を可能とするものでなければならない。優れた訓練、再教育は明日の繁栄の鍵となるものであると述べています。

また、連邦労働社会省のハイル大臣は、デジタル化によって、職業や資格のプロフィールが変化し、新しい職業が生まれる。その中で、再教育は、専門人材を獲得し、ドイツにおける雇用の可能性を維持し、拡大するための鍵となる。職業教育や資格取得は、言うまでもなく、職業生活を自己決定するための前提となる。ドイツはこれまで以上に、資格取得の国、学習の国とならなければならない。この目標を我々は国の再教育戦略によって追求していくと発言しています。

2018年6月に政府の人生100年時代構想会議がまとめた「人づくり革命基本構想」では、リカレント教育に関してもさまざまな支援策が打ち出しましたが、長年続いた終身雇用や年功賃金で特徴付けられる伝統的な日本的雇用システムを転換できるのか? より明確な解雇ルールを定め、業績給ベースの賃金体系を勧奨し、長時間労働文化の是正に立ち向かうことを含む総合的な人材育成戦略に対する覚悟と実効性、スピードが問われます。

国際比較を通してみた日本 雇用アウトルック2018 / OECD

日本の労働所得のジェンダー・ギャップは大きく、「出産後の雇用への障害を取り除く施策には、配偶者の働く意欲を低下させる税制を取り除くことや、子育ての高いコストを削減する対応が含まれる。日本は、ファミリー・フレンドリーな職場を作る企業への動機付けを強化するとともに 、より多くの父親が育児休暇を取得するよう勧奨すべきである。」とOECDは述べています。(OECD)

IMD2018年世界競争力は米国が首位、中国13位、日本25位


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