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映画「ノマドランド」が描くリタイアなき時代の過酷な現実

映画ノマドランド(Nomadland)は、第77回ヴェネツィア国際映画祭(2020年9月2日から12日)では最高賞の「金獅子賞」を受賞、米アカデミー賞にもっとも近い賞と言われる第45回トロント国際映画祭でも最高賞の「観客賞」を受賞しています。監督は注目の新鋭クロエ・ジャオ(Chloé Zhao)さん、主演はオスカー女優のフランシス・マクドーマンド(Frances McDormand)さんが務めました。この映画はジャーナリストのジェシカ・ブルーダー(Jessica Bruder)さんが、2017年に発表したノンフィクション「ノマド: 漂流する高齢労働者たち」を原作としています。

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Chloé Zhao(left), Frances McDormand / Wikipedia

企業の倒産とともに、長年住み慣れた企業城下町の住処を失った60代の女性ファーン(マクドーマンド)。彼女の選択は、一台の車に全ての思い出を詰め込んで、車上生活者「現代のノマド(遊牧民)」として、過酷な季節労働の現場を渡り歩くことでした。

リーマンショック後の新しい高齢貧困層に密着して、大きな反響を生んだ原作ノンフィクションをもとに、そこで描かれる実在のノマドたちとともに見つめる今を生きる希望を、広大な西部の自然の中で探し求めるロードムービーです。興味深い映画になっています。

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『ノマドランド』予告映像 / サーチライト・ピクチャーズ

ハリウッドレポーターは、「ジャオの初となる著名俳優とのコラボレーションは、マクドーマンドが完全に、スクリーンを共有する現実の“ノマド”たちと一体になる、素晴らしい演技を引き出した。またジャオは全作でコンビを組む撮影監督のジョシュア・ジェームズ・リチャーズ(Joshua James Richards)とともに、雄大な風景と豪華な水彩画の夕焼けをスクリーンに映し、また孤独な道、険しい山と岩だらけの砂漠といった生活の本質的な部分では、自然の強さと独立性を見事に引き出した」と評しています。

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