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極薄のフラットなレンズ技術がカメラを革新(Harvard’s metalens)

ハーバード大学のジョンA.ポールソン工学部および応用科学部(Harvard John A. Paulson School of Engineering and Applied Sciences: SEAS)の極薄フラットなレンズ技術は、スマートフォン、自動運転車のユビキタスカメラ、内視鏡から AR/VRに至るまで、そして将来的にはドローンや小型人工衛星(CubeSat)などに幅広く採用されるなど、イメージングとセンシング分野に革命を起こす可能性を秘めています。商業化するためボストンを拠点とする Metalenz, Inc.に独占ライセンスを付与しています。Intel Capital、3M Ventures、Applied Ventures、TDK Venturesなどからの1,000万ドルの資金調達も発表しています。

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A metalens for virtual and augmented reality / SEAS

長年にわたって小型化と効率化が進んだ電子機器とは異なり、今日の光学レンズの設計と、基礎となる物理学は約3,000年間あまり変わっていません。メタレンズ(Metalenz)は、かさばる湾曲したレンズを、ナノ構造を使用して光を集束させるシンプルでフラットな表面に置き換えることで、そのボトルネックを解決する次世代レンズです。

メタレンズは二酸化チタンナノフィンのアレイを使用して、光の波長を均等に集束させ、色収差を排除します。これらのナノアレイの形状とパターンを設計することにより、光の赤、緑、青の色の焦点距離を制御することができました。レンズをVRシステムに組み込むために、チームはファイバースキャンと呼ばれる方法を使用してニアアイディスプレイを開発しました。

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The augment reality imaging result using the full-color near-eye fiber scanning display, which shows an RGB-color virtual image floating in a real-world scene. (Photo credit: Zhaoyi Li/Harvard University.)

スマートフォンのカメラでは、前面と背面に複数のカメラを搭載することが一般的になり、センサーのサイズや画素数は、この10年で飛躍的に向上しました。さらに画像処理ソフトウェアも進化しています。ところが光学レンズは基本的に変化していません。

iPhone12Proのメインカメラは7枚のレンズを使用、高品質のレンズでは積層レンズ設計になっています。ただ、レンズの枚数を増やすとスペースが必要です。カメラ数の増加や大口径レンズ、ズーム仕様の搭載では、スマートフォンがさらに大型化してしまいます。

メタレンズ(Metalenz)は、縦横が1~3mmの大きさのガラスウェハーに単一のレンズを取り付けて使用します。人間の髪の毛の1,000分の1の幅の微細構造が光線を曲げ、シングルレンズの欠点を補正する仕組みです。従来の光学系は、光が材料を通過するときに光を屈折、反射、偏光しますが、革新的なメタレンズ技術では、表面の微細なパターンと構造を使用して、光を自由にリダイレクトします。

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An illustration of the ultra-thin planar lens. The lens consists of titanium dioxide nanofins on a glass substrate. The lens focuses an incident light to a spot smaller than the wavelength this tight focusing enables subwavelength resolution imaging. (Image courtesy of Peter Allen/Harvard SEAS)

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