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注目される炭素循環プロセスとカンラン石(ペリドット)

炭素循環(carbon cycle)とは、地球上の生物圏、岩石圏、水圏、大気圏の間で行われる炭素の交換という生化学的な循環で、これらは炭素の保管庫となっています。大気圏中の炭素は気体、主に二酸化炭素ガスの状態で、大気への放出はここ数十年で劇的に増加し、地球温暖化の原因とされています。

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Geological past: first ~ 2 billion years: no life and thus only the left part of the diagram was active. Without CO2 uptake by rock weathering, CO2 pressure in the atmosphere would have been several hundred bars / Project Vesta

地球誕生から約20億年は、生命がないため上図の左側の部分のみがアクティブでした。炭酸塩-ケイ酸塩サイクル(Carbonate–silicate cycle)において、ケイ酸塩で構成された岩石が風化する際に二酸化炭素および水と反応することで、二酸化炭素を大気中から除去していました。

Project Vestaでは、この地球が持つ炭素循環プロセスを意図的に促進することで、大気中の炭素を除去しようと試みています。炭素循環プロセスの促進を実現するにあたっては、熱帯地域の波の力が強い浜辺にケイ酸塩鉱物として知られるカンラン石ペリドット)を敷き詰めることで波の力による風化を促進し、大気中の炭素を除去させようと提案しています。

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Sand sample from Hawaii (Papakolea Beach). Green is olivine (some olivine grains are darker due to weathering). White grains are coral fragments. Gray grains are pieces of basaltic rock. Orange grain on the left is a foraminifer. The width of the view is 1 cm. / Wikipedia

Project Vestaによるとカンラン石は非常に豊富に存在していて、採掘も容易だとのことです。ハワイにあるパパコレアビーチ(Papakolea Beach)は、別名「グリーンサンドビーチ」とも呼ばれ、風化が促進されて砂状になったカンラン石を見ることができます。

地球と私たち人間を含むすべての生き物の関係を、物質循環の視点から描いたアニメーション番組「ちきゅうをみつめて」(約30分)が日本科学未来館から公開されています。ある宇宙人が密かに地球のz原子(炭素)をマーキングして調査しています(^^) 炭素循環プロセスの重大な変化も描いています。

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