米中の宇宙探査競争と火星サンプルリターン計画

7月30日、NASAは火星の地表を探査する新型探査機(Perseverance)を搭載したロケットを打ち上げました。目的は火星に生命が存在した痕跡を探し、サンプルを地球に持ち帰ることです。そして、火星ヘリコプターの Ingenuityが、別の世界で飛行する最初の航空機になることです。中国は、7月23日に「宇宙探査を国家間競争」と位置づけている天問1号Tianwen-1)を打ち上げています。中国初の火星ミッション天問1号(天国に問う)は、周回機・着陸機・ローバーからなる野心的な火星探査機で、米国が過去数十年リードして来た宇宙探査の分野でも挑むことになりました。

Mockup of the rover at the 69th International Astronautical Congress / Wikipedia

1967年10月10日に発効した通称「宇宙条約」には、宇宙空間における探査と利用の自由、領有の禁止、宇宙平和利用の原則、国家への責任集中原則などが定められていいます。第4条では、月その他の天体はもっぱら平和目的のために利用され、軍事利用は一切禁止されています。ただし、問題点も数多く指摘されています。

中国は宇宙探査を国家間の競争(宇宙強国)と位置づけており、2018年以降は年間世界で最も多くのロケットを打ち上げ、その国家予算も世界第2位の規模になっています。米国やロシア(旧ソ連)からロケット技術や半導体、IT技術を取り入れ(スパイ疑惑)、国家戦略として推進しています。中国共産党のもとでは、宇宙条約の精神である「すべての国の利益のために」や「平和利用」「情報公開」の原則が危ういとの指摘があります。

YouTubeは、中国の月、火星などを征服する宇宙計画(7/17 WSJ)

米国、中国、UAE、いずれの火星探査機も2012年2月に火星に到着します。火星と火星をまわる軌道では、現在、米国、インド、そしてESA=ヨーロッパ宇宙機関などの探査機合わせて7機が活動中で、米国の新型探査機(Perseverance)は、着陸後、およそ680日間にわたって探査を行う予定です。

Mars Helicopter Ingenuity / Wikipedia

アラブ首長国連邦(UAE)は三菱重工業のH-IIAロケットの打ち上げにより、初の火星探査ミッションの初期段階をクリアしました。日本の種子島宇宙センターから7月20日に打ち上げられたロケットは、火星の軌道上で1年(地球では687日分)を過ごし大気圏のデータを収集する周回衛星 Al Amal(希望)を搭載しています。

Mars 2020 ローバーの愛称はパーセベランス(Perseverance=忍耐)


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