札幌テレビ放送(STV)のアイヌ特集シリーズ「カムイと共に」の「アイヌ舞踊を世界へ-万博で舞う19歳双子-」が YouTubeで公開されています。大阪・関西万博で、アイヌの伝統舞踊ウレッパ モシリ(育て合う大地)が披露されました。アイヌ文化を受け継ぎ発信する、19歳の双子の兄弟(前野優詩さん・前野風詩さん)と、若い世代の思いに迫ります。
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過去最大の200人以上が踊る”万博の舞台”に向けて、北海道内のアイヌ民族が集まりました。各地に伝わる踊りを一つの舞台で表現する、かつてない演出。総監督の秋辺さんは、特に若い世代の踊りに期待しています。
総監督の秋辺デボ氏は、「彼らには経験をいろいろつんで世界に羽ばたいてほしいですね」「好きな踊りをもっと大好きになって頑張ってほしい」と述べています。
踊りの練習に参加している、アイヌの血をひく双子の兄弟、19歳の前野優詩さんと前野風詩さんは、物心つく前から伝統舞踊に触れてきました。弟の風詩さんはその頃から髪を激しく振る踊りフッタレチュイ(黒髪の踊り)を披露していました。それ以来、髪はずっと伸ばしたままです。

親元を離れ、札幌の専門学校に通っている優詩さん、父の思いを引き継ぐ根底にあったのはアイヌとしての誇りです。「自分はアイヌかっこいいと思っているので、ずっとこれから先受け継がれていったらいいなと思います」「せっかくアイヌの血が入ってアイヌと言われる身だったら、踊りなんかもちゃんとやって、かっこいいアイヌを見せたいと思います」と語っています。
舞台を終えた兄の前野優詩さんは、「今までなんどもやってきたんだけど、今日が一番よくできたと思ってます」と語ります。そして、弟の前野風詩さんは、「”万博”で、全世界の中でアイヌに視点を向けて、こういう機会を持ててよかったと思います。アイヌという先住民族がいることに誇りをもって、(皆に)アイヌに関心を持ってもらいたいと思います」と語っています。
下記は東京オリンピックの公認プログラムとして披露されたアイヌ舞踊です。2021年8月5日から8日の4日間、世界初の特別ステージが札幌で行われました。大会の 成功を祈るカムイノミ が捧げられ約80名の踊り手によって美しい舞踊が繰り広げられました。男性が舞う勇壮な「剣の舞」や鶴の母性愛を表した踊りなど、総監督で阿寒の秋辺デボ氏が舞踊を解説しました。