名作映画「ゴッドファーザー」を世に送り出してから50年、伝説の映画監督フランシス・フォード・コッポラ(1939年4月7日 – )は、かつてないほど壮大なプロジェクトに挑もうとしています。駄作との前評判が伝わる中で、コッポラ監督が1億ドル(約150億円)以上の私財を投じて、キャリア史上最高の作品が、これから生まれることを証明しようとしています。SF超大作メガロポリス(原題:Megalopolis)はカンヌ映画祭でプレミア上映(5/17)されることになっています。駄作なの? 面白そうな映画です。
- Francis Ford Coppola(Instagram)
- コッポラの『メガロポリス』が駄作と言われるたびに、むしろ必見の映画だと思えてくる(4/30 Wired.jp)
- フランシス・フォード・コッポラ監督『メガロポリス』は今年のカンヌでお披露目? 現時点でわかっていること(2/23 GQ Japan)
本作のメイキング・ドキュメンタリーを撮影したマイク・フィギス監督は、その物語について「”ジュリアス・シーザー”と”ブレードランナー”を合わせたような」ものだと語っています。
つまり、「未来のアーバニズムと古代ローマを舞台にした古典の融合が核となると期待していいだろう。ロマンスが絡むドラマをSFと組み合わせる企画にコッポラが乗り出したのは興味深い。彼はそれぞれのジャンルを別々に手がけたことはあったが、このように一本の作品に統合したことはこれまでなかったことだ」と語っています。
2021年8月31日に、コッポラ監督が約40年前から温めてきた夢の企画「Megalopolis」の製作のため、出演者と交渉中であるという記事がでました。また、本作が映画「ベン・ハー」のようなローマ叙事詩になると監督本人が語っています。
- Francis Coppola, A Gambling Maverick Moviemaker Who Won Big, Betting On Star Cast For Epic ‘Megalopolis’(8/31, 2021 Deadline)
ハリウッドの業界誌には、来る日も来る日も、憂鬱なことばかり書かれている。なかでもこのコメントは最悪の部類に入るだろう。「『メガロポリス』はまったくの駄作。観るのが辛くなるくらい……(中略)……コッポラが監督としてのキャリアを終えるのは、この作品ではない」と・・・。Hollywood Reporter誌は『メガロポリス』を、興行的な成功が見込めない(とされる)ため、業界では誰も資金を投じたがらない種類の映画だと位置づけています。(Wired誌から)
でも、きっとどこかが『メガロポリス』を配給することになるし、カンヌ国際映画祭もおそらくこの作品を気に入るだろう。コッポラ自身が、ニュースサイトDaily Beastの取材に対して、『地獄の黙示録』のときも苦戦を強いられたが、『メガロポリス』は「時の試練に耐えうる作品だ」と述べています。(Wired誌から)
- Francis Ford Coppola’s ‘Megalopolis’ Faces Uphill Battle for Mega Deal: “Just No Way to Position This Movie”(4/8 Hollywood Reporter)
当初の批評や興行成績と、のちに名作と呼ばれる乖離は、映画や美術、芸術、文学などの世界では当然のようにあります。特に独自の世界観を描くことも多い「SF」や「前衛」分野では・・・。巨匠コッポラ監督の40年にわたる独自の世界観とは?
- Megalopolis(IMDb) Ratings: 7.3 (5/19)