沈黙(ちんもく)は、遠藤周作が17世紀の日本の史実・歴史文書に基づいて創作した歴史小説です。江戸時代初期のキリシタン弾圧の渦中に置かれたポルトガル人の司祭を通じて、神と信仰の意義を命題に描いた第2回谷崎潤一郎賞受賞作です。
世界中で13か国語に翻訳され、グレアム・グリーンをして「遠藤は20世紀のキリスト教文学で最も重要な作家である」と言わしめたのを始め、戦後日本文学の代表作として高く評価されています。
2016年の歴史ドラマ映画:沈黙 -サイレンス-(Silence)は、小説「沈黙」を原作として、名匠マーティン・スコセッシが監督しました。
出演はアンドリュー・ガーフィールド、リーアム・ニーソン、アダム・ドライバー、窪塚洋介、浅野忠信、イッセー尾形、塚本晋也、小松菜奈、加瀬亮、笈田ヨシほか。日本では KADOKAWAの配給で2017年1月21日公開予定です。
スコセッシ監督が1988年に原作と出会ってから28年、読んだ瞬間に映画化を希望した待望の作品です。
スコセッシ監督は「文化の違い、文化の衝突」を描きたかったと説明。また、「日本の文化には14歳の時に溝口健二監督の『雨月物語』を観て初めて触れました。
元々私はカトリックということもあり、遠藤周作さんの作品に興味を持ちました。長い間構想してきたので、この作品を映画化できて、とても嬉しいです。
この映画については語っても語りつくせません」と日本に対しての敬意、映画化できたことへの喜びを語っています。
- マーティン・スコセッシ監督、「この映画については語っても語りつくせません」と喜び語る 『沈黙 サイレンス』来日記者会見(10/20 AOL News)
2014年7月から台湾でロケ撮影が開始されていますが、映画の製作が長く難航したのは、17世紀の日本という舞台を再現するのが非常に高くつくためで、台湾は予算が抑えられるために撮影地に選ばれたということです。
- 映画 沈黙 -サイレンス-(日本語版公式サイト)
- Silence(Official Movie Site)
- Silence (2016)(IMDb) Ratings: 7.2
- Chinmoku (1971)(IMDb) Rating: 7.3 – 1971年、篠田正浩監督の「沈黙」
- 映画『沈黙 -サイレンス-』日本版予告編(Movie Express/YouTube)