2月4日、エジプトのカイロにあるイスラム教スンニ派の最高権威機関アズハル(Al-Azhar)は、ヨルダン軍パイロットのモアズ・カサスベ中尉を焼殺したとする動画を公開したスンニ派過激派組織「イスラム国(Islamic State、IS)」の戦闘員について、「殺害か、はりつけの刑に値する」と激しく非難する声明を出しました。
アズハルのアフマド・タイブ(Ahmed al-Tayib)総長は、カサスベ中尉殺害を「臆病な行為で、ひどく失望した」とコメント。
「彼らのような、神と預言者(ムハンマド)に歯向かう堕落した迫害者には、コーランに記されている罰が下されなければならない」と述べています。
- イスラム国「処刑に値する」、パイロット殺害でスンニ派最高権威が声明(AFPBB News)
「イスラム教は、無実の人の魂を殺すことを禁じている。焼くなどの方法で人の魂を損なうことも、たとえ戦争中に自分を攻撃してきた敵に対してでさえ、禁じている」とタイイブ総長は声明の中で指摘しています。
また、イスラム国は「イスラム教を悪用しているに過ぎず、イスラムという宗教のイメージが損なわれる」として、名称を使わないよう外国メディアに求めています。
アル=アズハル大学(Al-Azhar University)は、カイロに本部を置く公立大学です。
モスク(971年建立)に付属するマドラサとして988年に設立、イスラム教スンナ派の最高教育機関として有名であり、現存する世界最古の大学の一つです。
現在世界各地の大学で見られる、卒業式に黒いガウン(アカデミックドレス)を着用する習慣は、アル=アズハル大学を卒業するイスラム学者たちのゆったりとしたローブが起源であると言われています。
- アル=アズハル大学(公式サイト)