2021年9月30日、米ロサンゼルスの映画の中心地ハリウッドにアカデミー映画博物館(Academy Museum of Motion Pictures)がオープンします。ロサンゼルス・カウンティ美術館(LACMA)の隣に建設すると発表されたのは2012年でした。映画とビデオ25万本、脚本9万1,000本、ポスター6万6,500枚、そしてプロダクション・アート13万8,000本のコレクション、写真は1,250万枚以上など。資金集めキャンペーンのリーダーも務めてきたトム・ハンクスさんは、「展示されているすべての情報を読み、映像を見て回るには3日半かかるでしょう」と語っています(^^)
- Academy Museum of Motion Pictures(Website)
- オープニングを飾るのは「宮崎駿展」。LAのアカデミー映画博物館の全貌。(4/9 Vogue)
イタリアの建築家レンゾ・ピアノ氏による斬新な球形の建物と、改名・改装されたサガン・ビル(Saban Building)合わせて27,870平方メートルの施設には、いくつもの常設及び特別展示ギャラリー、2つの最新鋭の上映シアターを有しています。2020年12月開館(当初は2017年)予定が、コロナ禍で今年の4月開館に延期され、さらに9月に延期されていたため、本当に「待望」のオープンとなります。
アカデミー映画博物館では、年代やカテゴリー別にギャラリー陳列されているわけではなく、「映画の物語」として有機的に展開されているそうです。人種・性差別問題や経済格差、そして人間の尊重という根本を見つめ、いかに映画芸術科学アカデミー(AMPAS)はその時代時代の社会に対しての代弁者であったか、映画人・クリエータたちの先見の明を尊重してきたか、映画技術だけではない「革新性」をストーリーテリングに求めてきたかを見せているそうです。
映画博物館のオープニングを飾る特別展示に選ばれたのは、北米初のMIYAZAKI展となる「宮崎駿」展です。大きな会場を使っての原画やフィルモグラフィーを公開、映画も上映されます。さらには隣接のワーナー・ブラザーズ・ギャラリーではスタジオジブリの製作に着想を得た「ピクサー・トイストーリー・ゾエトロープ」なるものもあるそうです(^^)
私たちの社会がいかに映画製作に影響を与え、映画が社会に影響を与え、それを常にアカデミー(AMPAS)は期待しています。このブレない価値観、アカデミー賞をエンタメ界の最高峰と言わしめているのかが伝わってくるそうです。ようやく映画の都ハリウッドのランドマークができました。ディレクターのビル・クレイマー氏は「間違いなくロサンゼルスで絶対訪れるべき場所になるでしょう」と語ります。
2023年にはルーカス美術館(Lucas Museum of Narrative Art)が開館する予定です。ロサンゼルスは映画の魅力が満載になりそうです(^^)