米国のバラク・オバマ元大統領を描いた象徴的なポスターを手掛けたシェパード・フェアリー(Shepard Fairey)さんが、11月の大統領選に民主党の候補として臨むハリス副大統領を題材とした同種のポスターを制作し公開しました。米国を代表するストリートアーティスト、フェアリーが制作したポスター(Barack Obama “Hope” poster)は2008年の大統領選挙の活動時に使用されたものです。
- Obey Giant – The Art of Shepard Fairey(Website)
- オバマ氏の象徴的なポスター手掛けたアーティスト、ハリス氏描いた新作を発表(8/17 CNN)
オバマ氏のポスターは、オバマ氏のイラストと太文字の「HOPE(希望)」を並べたデザインで知られています。ハリス氏のポスターでは太文字の「FORWARD(前へ)」になっています。ハリス氏のイラストは、青の陰影と赤い口紅のコントラストで表現され、ポスターの中のハリス氏は真珠のイヤリングとネックレスを身に着けています。
フェアリー氏はポスター公表時の報道向け発表で、「我々は後退しない」とのハリス氏の言葉に言及しています。「後退しないためには、前へ進まなくてはならない!」と「FORWARD」の文字に込めた思いを明かしました。
オバマ氏の「HOPE」のポスターを手掛けた後の15年間、フェアリー氏はインタビューでオバマ氏は自らの約束を果たさなかったと主張しています。「多くの事柄で彼は妥協してしまった。私が予想もしなかったことで」と語っています。
その次の大統領選に出馬したトランプ前大統領を「危険」と評していたフェアリー氏ですが、対立候補のヒラリー・クリントン氏にまつわるアート作品を制作することはありませんでした。その理由について、2016年のCNNとのインタビューで、クリントン氏からは「十分なインスピレーション」が得られなかったからだと明かしました。
シェパード・フェアリー氏は、トランプ氏の大統領就任(2017年1月20日)を前に、これに抗議する趣旨のポスターを3作描いています。これはイスラム教徒、中南米系、アフリカ系米国人の女性をそれぞれ描いた作品で、「We The People(私たち、人民)」のタイトルが付けられています。